キミと約束する (1/4)


相変わらず、みょうじは無表情でよくふらふらと授業をサボる。せやけど、俺が話し掛ければある程度は会話をするようになった。

まぁ、それでもみょうじから連絡が来うへんけど。正直、素直に連絡してくるとは思ってへんかったから別にええんやけど。俺からメールすれば短文やけど返事来るし。


んで、昼休みになっても相変わらずサボりのみょうじは教室に戻って来うへん。ちゅーか、あいつ昼飯どこで食ってんのやろ。

とりあえず、みょうじにどこおるんかメールしたら校舎裏とだけ返信が来た。まぁ、みょうじがサボるいうたらそこしかあらへんし、すぐにカバン持って校舎裏に向かった。


ほんで、メールでいうた通り校舎裏でボーッしとるみょうじがおった。



「おい、みょうじ」

「…あ、財前くんだ」

「呑気か。お前、昼飯は?」

「これ」

「お前の場合、10秒でチャージ出来なさそうやな」



4時限目からサボっとったみょうじは、昼飯の為にカバンを持って来てたらしく中から某10秒チャージゼリーを取り出した。

ちゅーか、こいつガリガリやし普通になんも食べてへんのかと思っとったわ。まぁ、所詮ゼリーやけど。

とりあえず、先輩等に今日は屋上に行かんて連絡しとかなあかんわ。なんで来なかったや!とかなんとか言うて後でうっさい上に下手したら教室にまで来るし。

んで、暇人でいっつも屋上におる謙也さんにメールしてからゆっくりと隣に座るとみょうじは既にゼリーを開けて吸っとった。



「飯それだけなん?」

「うん」

「3食ゼリーとかちゃうやろな」

「これは、お昼だけ」



そんな事を言いながらゼリーを吸っとるみょうじを見ながら自分の弁当を開ける。俺は、毎日オカンが弁当作ってくれる上に足りへんかったら購買行くからアレやけど昼飯ゼリーだけって足りるんか?

ちゅーか、昼だけゼリーって事は朝と夜は違うって事やろ?せやけど、こいつ自炊しなさそうやし…コンビニ弁当とか外食か。

チラリとみょうじを見れば、ゼリーを持ったままボーッとしとるし。いや、10秒チャージは無理でもちゃんと全部飲んでからボーッとしろや。



「ちょっと口開けてみ」

「………?」

「こっち向いて開けろや」

「……?んむっ…」

「卵焼きなら食えるやろ」

「…あまい」

「甘い卵焼きやし」

「…凄い。財前くんが作ったんだ」

「なんでそうなんねん」



みょうじの口に卵焼きを突っ込むと意外にもあっさりと食べた。せやけど、相変わらずズレとるっちゅーか…まぁ下手に突っ込むのはやめとこ。

オカンが作った言うて、また頭抱えても困るし。


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