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翌日、朝練が終わって教室に入るとなんや俺の机の上に紙袋が置いてあって、うんざりしつつもその紙袋を開けると中には新品の包帯が数本入っとった。
ゆっくりと隣の席を見るがそこにみょうじの姿はない。せやけど、カバンがあるっちゅー事は学校には来とるんか。
…………。
あぁ…もうあいつホンマになんやねん、包帯とか気にしとる場合か!ちゅーか、学校来とるんやったら教室にいろやアホ!
そんな事を思いながら包帯が入った紙袋を持って俺は、教室から出た。
―――
――――
―――――
…また空見て泣いとるし。
ちゅーか、前に俺がここに来たん忘れとるんかなんなんか知らんけど普通に校舎裏におるし。
「みょうじ」
「…………」
「おい、無視すんなや。これお前が置いたんやろ?」
「……うん」
「包帯とか俺には必要ないわ。せやから、お前が使え」
「あたし…関わると不幸になるって言った」
「うっさいわ、今更や。ちゅーか、泣きながらこっち見んな上見とけ」
「……うん」
俺の声にゆっくりと顔だけこっちを向いたみょうじは相変わらず無表情で泣いとって、見るのもアレやし上を見てろ言うたら素直に空を見上げた。
ハァ…ちゅーか、なんで俺はここに来たんや。
チラリとみょうじを見れば、相変わらず無表情で空を見上げとるんやけど、あかん…全然変化がわからん。
んで、もう今更やしゆっくりとみょうじの隣に座るがみょうじは全く気にしとらんのかこっち向かんし…なんやねん、こいつ。
いや、上見とけ言うたん俺やけど。
「昨日なんで学校来うへんかったん?」
「……キミがあたしに会いたくないと思って」
「は?」
「気味悪いって関わりたくないだろうなって思ったから」
「この際、気味悪いとかどうでもええ。まず、キミってなんやねん」
「名前知らない」
こいつ…ホンマに四天宝寺に通っとったんか?いや、転校してきたばっかりならまだわかるんやけどな?俺はテニス部って事で結構有名な方やのに、しかも今は席も隣なんやで?どんだけこいつ周り気にしてないねん。
それに全くこっち向かんし。
名前知らないって言いながら空見上げっぱなしやで、こいつ。全く、悪いとか思ってないやろ。
いくら話した事なかった言うても普通は、名前くらい知っとるやろ。
「財前光」
「…財前くん。だから、財前くんがあたしに会いたくないと思って」
「言い直さんでええわ」
「みょうじなまえ」
「知っとるわ、アホ」
「凄いね」
「バカにしとるんか」
「違うよ」
…なんちゅーか、頭のネジ飛んでそうな会話やな。
いや、こいつの場合あながち間違ってへんけど。それにしてもホンマに泣いとるって感じせぇへんな。
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