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ほんで部室で消毒やらなんやらして手当てしてやった。ちゅーか、どんだけ適当に手当てしとんねん。



「……………」

「今更やけど、これ自分でやったんか?」

「……そう」

「ほーん?死にたいとか思うてやっとるん?」

「違う」



自傷行為なんて構ってちゃんのメンヘラがやっとるイメージしかあらへんし。ましてや、死にたいとか言うて軽々しく自傷するヤツなんて今時珍しくもなんともない。

せやから、こいつもファッション感覚で自傷しとるんかと聞けば食い気味に否定しよった。ちゅーか、こいつの場合ファッションどころの傷やないわ。

ただのグロやグロ。
それにこれ同情引くどころか、頭おかしいってドン引きされるレベルや。



「ほな、なんでしとんの?」

「……………」

「死にたい訳ちゃうんやろ?」

「生きてるかの確認」

「はぁ?」

「……生きてるか死んでるかの確認」

「いや、意味わからんわ」



なんや生きてるかの確認って…あれか、血を見ると安心するとかそういうやつか?せやけど、せやったらこないやる必要ないやろ。まぁ、俺に自傷しとるヤツの気持ちなんてわからへんからようわからんけど。

とりあえず、質問にはなんだかんだで答えてくれるみたいやし、気になる事聞いたろ。

話聞いたら別に関わらなければええ話やし。



「ほな、胸元の古傷なんなん?それも自分でやったんか?」

「………っ、ちが、う」

「ほーん」

「……事故っ…で、…」



あぁ、ならしゃーないわ。
ちゅーか、こいつ急に顔色悪くなかったな。そない酷い事故やったんか。まぁ、あんな傷痕あるくらいやし軽くはないやろうけど。

それにしても、ホンマに無表情やな。俺がいうのもアレやけど、もう少しなんか反応せぇへんのか。

なんやオカンの事で怒っとたっけど、あの時もこいつ無表情やったしな。



「ちゅーか、そない事してたらオカンが怒るんちゃうん?大事に大切にされとるんやろ?」

「…………っ…」

「まぁ、生きてるかの確認っちゅーのもようわからんけど」

「……母さんは…もういないからっ…だから、生きてるか…確認しなきゃでっ…」



そう言いながらギュッとみょうじが自分の肩を抱くと小さく震え出す。

……はっ?
オカンがいないってどういう意味やねん。さっき、大事に大切にされとるん言うてやんけ。

ほんで、結局俺は好奇心に負けてみょうじに話せるなら全部話してくれへん?とかアホみたいな事を言っとった。




※放課後の部室にて
(ぬわっ!?なんやこの血塗れの包帯!?)
(あらぁん!ホンマやぁ)
(包帯なら白石ちゃうん?)
(アホ、ゴミ箱から出すなや!)
(ちゅーか、俺ちゃうで?)
(ほな、誰が怪我しとるん?)
(鼻血とかちゃう?)
(どう見ても鼻血ちゃうやろ!)
(…白石部長、包帯使ったん俺ッスわ)
(なんや財前。ほな、これ自分か?)
(…いや、俺やないっスわ)
(なんや、なんかあったん?)
(なんでもないッスわ)

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