Theory of relativity .

この島に停泊して六日目、相変わらず俺は夜になるとなまえがいる酒場へと足を運んでいた。

○△□

「はあ?店の新メニューを考えろ、だぁ?」

「ええ。」

「俺が?」

「そうよ。」

「おお…。またそりゃあいきなりだなぁ。」

「うーん…まあそうなんだけどー、最近お店の売り上げがイマイチだからそろそろ何とかしなきゃいけないのよねー。」

「ふーん、そうなのか。」

「だめ、かしら…?」

「…まっ、別にそれ位いいぜ!協力してやるよ!」

「まあ、ありがとうっ!!」

「おう!」

「…で、早速だけど何かいい料理ないかしら?」

「うーん…」

「……」

「…っあ!ミートソースドリア、っつーのはどうよ?」

「あら!それいいわ「後、クリームパスタとかこの街だけで取れる食い物を使ったピザとかガーリックトーストとかー…」

「ちょっ…エース!!それじゃあ早すぎて覚えられないわっ!!」

「…っと他にはー、うーん…まあ肉を使った高級そうな料理とかライスコロッケとか旬の魚のオーブン焼きとかー」

「ねえ、聞いてるっ!?」

「あ…、デザート類ならパンナコッタとかジェラートとかシュークリームとかイチゴのタルトとかモンブランとかガトーショコラとかかな?」

「……」

「あー!うわー!なんかこんなにいっぱいケーキの名前を言ったからすっげーケーキが食いたくなってきた!俺、意外にもケーキ、超好きなんだぜ!…ってあれ?お前どうしたんだよ?」

「……」

「…?」

「…もういいわ、貴方には頼まない。」

「はっ!?お、おい、どうしたんだよいきなり!!……あっ!ま、まさかお前、ケーキが嫌いだったとか?…うっわー、まじありえね「違うっ!!」

「じゃあなんでだよ!」

「〜っ!もう知らない!」

……?

この島に停泊して七日目、俺は小腹を満たしてから船に戻ると、船の中にはいつの間にかなまえがいた。こ…こいつ、昨日はあんなにぷりぷり怒ってたくせに今はケロッとした顔をして酒を飲んでやがる…!はぁ…、ほんっと女ってよく分かんねえわ。っつーか今から宴やるんだけど…。

「あら。その宴、あたしも参加するわよ〜?ここの船員さんたちも参加していいって言ってくれたし。」

「はあっっ!?つーかお前、なに人の心ん中読んでんだよ!」

「まあまあまあ、今はそんなことどうでもいいじゃない!とりあえずエース、早速あたしと飲み比べでもしましょうよ!」

「ちょっ、何言って…!」

「早く早くっ!」

「お、おい!そんな強く手を引っ張んなって!」

なんていう俺の言うこともロクに聞かず、あいつは鼻歌を歌いながら船員たちに酒を貰いに行った。……。はぁ…まあ…たまにはこういうのもいっか。

この島に停泊して八日目、今日はあいつと目玉焼きに対しての物議を熱く交わした。多分軽く二時間以上は交わした、と思う。はあ…ったく、何回も言うけどなあ、目玉焼きにはケチャップの方が絶対うまいっつーの!!ソースなんてほんっと有り得ねえから!!

この島に停泊して九日目、いつも通り店に行くとあいつは新メニューをプチケーキセットに決定したのよと言ってきた。お!なーんだ、やっぱりあいつもケーキが好きだったのか!!

「もう、そういうことじゃないわよ。ただ…貴方がケーキが好きだって言ってたから…。」

「ん、なんか言ったか?」

「…なんでもないわ。」



深夜の菫畑と流れ星

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私は今さっき、すみれを漢字でかくと「菫」なんだということを知りました

101213