※きっと小1か小2くらい

わたしはおなじクラスのさかたくんがにがてです。きらいじゃないけど、よくけしごむをちぎってなげつけてくるし、きゅうしょくのデザートをよこどりしてくるし、おきにいりのじゆうちょうをかってにみてくるし、わたしのきゅうしょくぶくろをつかってやきゅうごっこをしたりするからにがてです。

「ちょっと、さかたくんかえしてよ!」

「やーなこった」

そしていま、さかたくんはわたしのかみどめをうばってめのまえでニヤニヤしています。あたしはというといまにもなきだしてしまいそうです。

「ねえ、おねがいだからかえしてよ!それ、おにいちゃんからもらっただいじなものなんだから!」

「じゃあとりかえしてみろよ」

そういってさかたくんはうでをぴーんとのばしました。さかたくんよりせのひくいわたしがかみどめをとりかえせるわけありません。わたしはそれがとてもとてもくやしくて、すごくすごくかなしくなったのでとうとうなきだしてしまいました。

「ふっ…うえぇぇんっ!」

「……」

わたしがないたしゅんかん、さかたくんはすごくおどろいたかおをしてそのあとむごんでみぎてをおもいっきりうえにあげました。

きゃあ、たたかれる!そうおもったわたしはおもいっきりめをつぶりました。けれどあたまにしょうげきははしりません。そのかわりわたしのあたまにはぶきようなぬくもりがつたわってきました。

なんとさかたくんがわたしのあたまをガシガシとなでてきたのです。まったくじょうきょうがのみこめないわたしはおもわずなくのをいちじちゅうだんしてぽかーんとしてしまいました。

「あー…おまえになかれちゃあぎんさんもさすがにこまるからな。ほら、なきやめ。」

「…?」

「はあ…しかたねえ。…ほら、べろべろばー」

そんなことをいいながらさかたくんはやるきのなさそうにすごくへんてこりんなかおをしはじめました。そのかおはあまりにもへんてこりんだったのでわたしはおもわずわらってしまいました。

「よし、なきやんでよかった」

そういったあとさかたくんは、あんしんしたようなかおでにへっとわらいました。

「ね、ねえねえさかたくん!」

「あ?」

「あ…あたしもいっしょにへんてこりんなかおしたい!」

「おう、べつにいいぜ。せーのっ」

べろべろばー!

わたしたちはおたがいにみつめあってどちらともなくわらいころげました。とてもおかしくてとてもおもしろかったのです。

「うふふ」

「ははっ」

「たのしいね」

「おう」

「……」

「?」

「…ねえねえさかたくん」

「あ?」

「あの…あたしいまのさかたくんのほうがすきだよ?おもしろいしやさしいから。で、よくわからないりゆうでいじわるしてくるさかたくんはあんまりすきじゃない。」

「…え。ま、まさかおまえ、おれがただきまぐれにいじわるしてたとおもってるのか?」

「え、ちがうの?」

わたしがそうといかけるとさかたくんはおおげさにためいきをついてすみっこでなにかぶつくさいいはじめました。

「まあなまえがどんかんだってことはしってたけどまさかここまでだったとはなー…」

「?」

「…よしきめた!!」

「うわあっ!いきなりおおごえだしてどうしたの?」

「おれ、こんどからはましょうめんからどんどんせめてくことにするぜー」

「え?なんのはなし?」

「もうおまえにいじわるしねえってことだよ。このかみどめもかえしてやる。」

「ほ、ほんと!?」

「ああ。だからとりあえずあしたもいっしょにあそぼうぜ。」

「え、さかたくんあしたはがっこうおやすみだよ。」

「ぁあ?そうだっけ?」

「そうだよ。」

「…ま、いいや。じゃあおれ、とりあえずあしたじゅーじぴったしにおまえんちいくから。じゃーな」

「ええ!!ちょっ、ちょっとまって!」

あたしはおおごえでさかたくんをよんだけど、さかたくんはしらんかおしてきょうしつをすたこらさっさとでていっちゃいました。

「……」

な、なんてじぶんかってなひとなんだろう…。あたしはこころのそこからそうおもったけど、おかおはしぜんとえがおになっていました。うふふ、よかったよかった。これからのさかたくんはわたしのすきなやさしくておもしろいさかたくんなんだ。それってなんだかとてもうれしいことだなあ。ついでにいうとあしたあそぶのもすっごくたのしみだなあ。




リトルプリンセスと
魔法の杖


つぎのひのじゅーじぴったし

「トシおにいちゃん!このこがくらすめーとのさかたくんだよ!」

「(こ、こいつがうわさの坂田か…。なまえの話によるとなまえに(多分)気があるろくでもねえやつらしいじゃねえか。ここは一つ、十分に警戒しておかねえとな。)」

「さかたくん、このひとわたしのおにいちゃんなの!なかよくしてね!」

「よろしくおねがいします、おにいさま。なかよくしましょうね〜。」

「っっ!!てっ、てめえにお兄さまなんざ呼ばれる筋合いはねぇええ!!」

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本当は坂田くんではなく沖田くんでいく予定だったのですが、彼がへんてこりんな顔をするとこが想像出来なかったので(笑)急遽坂田くんにしました。しかし土方くんがヒロインのお兄さんだという設定はとりあえずそのままにしておきました。(無茶苦茶)
まあつまりそこらへんは大目にみてください(´・ω・`)←

110112