※ちょっと汚い?表現注意



静雄とは仕事上のパートナーだ。それ以上でもそれ以下でも、ない。
だから今起こっている事は全て、あくまでパートナー同士のコミュニケーションだ。

「静雄、美味いか?」
「んッ…ふ、ぅ…」
「すげぇのな、根元までとかAVでもあんまやらないぞ。喉苦しくねぇか」
「んぅ、っ……んぐ、ン…」
「あーそれ、ヤバイって」

目元に涙を浮かべる静雄の頭を撫でるように、やわりと髪を掴む。
少し痛んだ、けれどもふわりとした細い髪を俺の両脚の間で揺らしながら。
…静雄は夢中で、俺の性器をしゃぶっていた。
喉の奥までしっかりと咥え込み、裏筋に舌を這わせながら唇を窄めて根元を刺激される。
そしてゆっくり先端まで引き抜き、また奥まで。やんわりとしたピストン運動のくせに俺を喜ばせるには十分過ぎた。

「静雄、俺もう出そうなんだけど」
「んぐっ」
「汚れるとアレだし、零さず飲めよ?」

髪を一層強く掴み、その頭を激しく動かす。
静雄の口元からじゅぽじゅぽと卑猥な音が引っ切り無しに漏れる。欲に塗れた声が、ん、ん、と聞こえた。
その声に思わずどきりとして、彼の口内に勢い良く射精した。
途端に静雄は青い顔をする。あーやばい、気管にでも入っちまったか?
心配して名前を呼ぶと、性器を咥えたままちらりと視線だけで俺を見上げた。その両目には涙が滲んでいる。
ごくりと喉を鳴らしたので咳込む事は無さそうだが、どうもばつが悪そうだ。
やがてゆっくりと性器から口を離した静雄は、地面についていた両手を口元へと持っていく。
開かれた唇から多量の精液をだらりと吐き出し、けほけほと小さく咳き込んだ。

「…悪い、ちょっと量多かったな」
「っ…すみませ、ちゃんと、飲めなかった…」

どうやら先程俺が「零さず飲め」と言った事を気にしているらしい。変な所で律儀な奴だ。
掌に吐き出した精液を見つめ、さてどうしようかと思案しているようで。
その内指の間から垂れ始めたのを見て、観念したように掌の精液を舐め始める。
舌を使ってぴちゃぴちゃと、なんか犬みたいだな、お前。
思わず呟くと、何か言いたそうな目で俺を睨み上げた。
涙目でそんな目されても怖く無いんだがなぁ。というか上司に対してその態度はどうなんだ。
胸ポケットから携帯を取り出す。
液晶画面に浮かび上がった文字を確認して、静雄の髪をくいと引っ張った。

「そろそろ仕事回りの時間だわ、悪いな俺だけ気持ちよくなって」
「あ、いえ……別に、嫌じゃないんで、平気っす」

手首を伝う精液をぺろりと撫でながら、少し恥ずかしそうに静雄は呟く。
お前がこんな事を好きだと言うなんてと驚く。だが、上司の機嫌を損ねないための良い答えだ。
アフターケアもしっかりしておかないといけないから、コミュニケーションってのは大変だな。
チャックの間からだらしなく頭を垂れたままの性器を掴む。
静雄の唾液と自らの精液で、べとべとだ。

「しーずお、嫌じゃないんなら綺麗にしてよ」
「えッ………は、い…」

一瞬困ったように眉を寄せたが、素直に彼は従った。
綺麗に舐めた両手を床につき唇を性器に寄せる。
刺激を与えるではなく、丁寧に舐め取る様に動かされる舌の動きに少し興奮した。
静雄は俺とこういう事をする時、なるべく俺に触れない様にする。
化物じみた力で俺を傷つけてはいけないから、との事らしいが
手足を地に着け、口だけで必死に奉仕する姿はいくら同性とはいえ少しクる。
でもこれはそういうアレじゃない。
仕事の仲間同士、少しでも仲を深めようって事だけだ。ただそれだけだ、己に言い聞かせる。
そうも余計な事を考えている内に、静雄の舌はどんどん俺のモノを舐めてゆく。
流石にこれ以上は仕事に差支えが出ると判断し、彼の頭を掴んだ。

「もういいぞ、ありがとな」

従順な部下の頭をくしゃりと撫でてやると、その頬を僅かに綻ばせた。
なんだなんだ、すっかり俺に懐いてきているじゃないか。
こうしてコミュニケーションを図った成果が早くも出たとは。やはり普段からスキンシップは大切にすべきだな。
スボンのチャックを上げ、気乱れた服を直す。
唾液に濡れた唇を指で拭ってやる。薄い唇だな、と思った。

「静雄、午後回り終わったら今度は俺がしてやるよ」
「えっ…」
「そうだな、ノルマよりプラスに出来たらサービスしてやる」

拭ったその指先をぺろりと舐める。
へたりと床に座り込んだままの静雄の背をバシッと叩くと、びくりと肩を震わせた彼が赤い顔でじっと見てきた。

「…トムさん、分かってて言ってんすか…」
「ん?何が?」
「いや…別に、なんでも」

のそのそと立ち上がり、静雄は胸元からサングラスを取り出す。
まだどこか熱を孕んだままの瞳を、青いレンズの奥に隠した。
そうして彼はパートナーの平和島静雄ではなく、池袋最強の平和島静雄になる。
そうだ、それでいい。
レンズの向こう側にある欲望塗れの瞳なんて、俺だけが知っていればいい。

俺と静雄は仕事上のパートナー、それ以上でもそれ以下でもない。
だからパートナー同士のコミュニケーションを俺はとても大事にしている。
だって
それを建前にして、素直で従順なお前とあんな事出来るんだからさ。

今日は早く仕事が終わりそうだ。さて、静雄にどんな事をしてやるか。
ついにやける口元を隠すように
煙草を咥え、火を点けた。




プラス・コミュニケーション








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