「これ、私の国の入浴剤!クロツグにもあげるヨ!」
「え?あ、あぁ。ありがとう、ダリア!」
はい、とダリアから手渡された小さな袋。中には洗剤の様な粉末状のものが入っていた。
「はい、ネジキにも!」
「ありがとうございます。」
「それ、とっても上質!お風呂に一杯ポイするだけで、モコモコの泡風呂になるヨ!」
「…上質なんですか?それは。」
ネジキが訝しげな表情でダリアの方を見る。
けど、そんなネジキとダリアのやり取りなんて私にはどうでもよかった。
何故ならば
(…今日、ジュンとお風呂入ろう。)
と、心の中で決意を固めていたからである。
「ジュ〜ン!ダディとお風呂入ろうか!」
「風呂?別に良いけど…。」
夜、テレビを見ているジュンにそういうと、意外にもあっさりオーケーしてくれた。さすが私の息子、素直で可愛い良い子だ。
「今日なー、ダリアから面白い入浴剤を貰ったんだ!泡風呂だぞ!」
「泡風呂!?うわ、オレ一回入ってみたかったんだよ!楽しみ!」
キラキラと目を輝かせるジュン。ダリアありがとう、いや本当に。マジでありがとう。こんな可愛いジュンの顔が見れるなんて、私は幸せすぎる。
それから浴槽に湯を張って、ダリアに言われた通りスプーン一杯分ぐらいを掬っていれる。
すると、入浴剤は泡となり、みるみる膨らみ始めてあっという間に浴槽全体に隙間なく広がった。
「なぁなぁダディ!もう入っていい!?」
「あぁ。」
「わーい!」
無邪気に笑い、浴槽へと走り出すジュン。
そのまま勢いよく飛び込むと、ザバンという音ともにお湯が溢れ、泡が宙に浮かんだ。
そんなジュンに続くかの様に、私も泡だらけの浴槽へと足を入れた。
「わ、オレ泡風呂って初めて入ったよ!」
「そうかー。気持ちいいか?ジュン。」
「うんっ!」
ニコリとジュンが微笑む。我が息子ながらどうして可愛いのだろう、と思い、私は我慢出来なくなり
「〜っ、ジュン!」
「わわっ!?」
グイ、とこちらへとジュンを抱き寄せた。
私より幾分か小さいジュンの体はすっぽりと腕の中に収まり、私を見上げる形になった。
「な、なんだってんだよー!急に何すんだよっ、ダディ!?」
「いやあ、ジュンが可愛いからちい、な?」
「つい、じゃねーだろ!全く…。」
頬を膨らませながらも、私の腕の中に収まるジュン。
「いやー、泡風呂たのしーなー。」
「…ダディ、その言葉本当なのかよ?」
「本当本当。ははは。」
こんな素敵な入浴剤(正式には入浴剤が見せてくれた可愛いジュン)をプレゼントしてくれたダリアには、何かお礼をあげなきゃなー。
私はそんなことを考えながら、腕の中の可愛い息子をより強く抱き締めた。
(…ダディ、いい加減離してくんない?)(えー、それはなんだかなー…。もう少し。)(…なんだってんだよー)
おまけ 後日談
「クロツグ!あの入浴剤どうだった?」
「あぁ、最高だったぞ!」
「なら良かったヨ!」
「…最高なのは、入浴剤じゃなくて息子さんじゃ」
「はいネジキうるさい!黙れ!タイクーン権限で命令する、黙れ!」
「ワーオ…。」
いようか様に捧げるクロジュンです…\(^o^)/
途中でリクエスト変えたりしてマジでごめんなさい…。了承してくれてありがとう大好き。言わせんな恥ずかしい///
書き直しなどはいつでも受け付けておりますので、気に入りませんでしたらぜひぜひお申し付け下さい。
リクエスト、ありがとうございました!