(※ハチクさんが小さいショタっこ設定です、苦手な方はお戻り下さい)
しんしんと雪が降り積もるセッカシティ。
今日ボクは、ある人物に会おうとそこを訪れていた。
深く積もった雪に足をとられながらも道を進み、ジムと書かれたその建物に入る。
「こんにちはー。」
と声をかければ、ひょこりとクマシュンとバニプッチが顔を出した。
「やぁ、元気?入ってもいいかなぁ?」
そういうと、クマシュン達は頷いて道を開けてくれた。
最初は随分と警戒されてたけど、しばらく通う内に慣れたのか、今ではすんなりと通してくれる様になった。
ツルツルと滑るジム内を華麗に、時には回転しながら進み続ける。
これだって、初めての時は何度も失敗したし転んだ。今となってはいい思い出だ。
そのまましばらく進み続けると、奥で縮こまる小さな影が見えた。
(あ、いたいた。)
「ハチクくーん。」
ぶんぶんと手を振りながら名前を呼んでやると、その小さな影はビクリと背中を震わせた。
「…アーティ?」
ボクの姿を見るなり、パァッと表情が明るくなる。
「よっ、と。」
滑る床を抜け、その子の近くに寄る。
「久しぶりだね、ハチク君。元気だったかな?」
「…あぁ。」
こくん、と頷くこの子はハチク君。
アイスブルーの髪と青いマスクが特徴的な、小さいけれどボクよりも強い、このセッカシティのジムリーダーだ。
「しばらくぶりだな。」
と、静かに微笑んでボクの方を見上げる。
年に似合わない、この落ち着いた振る舞いや態度も彼の特徴の一つ。
「そうだねぇ。ボクが最近忙しかったから、中々来てあげられなくて…、ごめんね?」
「いや、アーティの仕事が大変なことは私が一番知ってるから。…気にしなくていいんだぞ?」
嘘ばっか。
マスクの下の瞳が、ちょっぴり悲し気に揺らいだ。
「ハチク君、寂しいなら言って良いんだよ。キミのためなら仕事だって放っても構わないし。」
「なっ!し、しかし…、」
反論しようとするハチク君を、ぎゅうっと抱き締める。
すると、びっくりしたのか急に大人しくなった。
「キミはまだ子供だし、もっとワガママを言って良いんだよ。それに」
するり、と青色のマスクに手をかけゆっくりと外す。
「ボクの、恋人なんだから。ね?」
「う、…それはそう、だけど…。」
もじもじと、ボクの腕の中で気恥ずかしそうにするハチクくん。あぁもう、可愛いすぎてどうしようもない!
「とにかく、遠慮はなしだよ?わかった?」
「…あぁ。」
と、小さいながらもしっかりとした返事を確認すると
「うん、良い子。」
と、その額にキスを落とした。
「、〜っ!あ、アーティ!」
「あははー、ごめんごめん。ハチク君がつい可愛いから。」
ね?と言いながらウィンクをすると、ハチク君はまるでお返しと言わんばかりに、背伸びをしてボクに口づけた。
「…!?」
突然の出来事にボクが驚いてると、ハチク君は無邪気にボクの腕の中で笑いながら
「…たまには、私だって子供じゃないんだぞ?」
と言った。
その姿があまりにも愛らしかったので、ボクは思わず顔が緩んでにやついてしまった。
(小さい小さいボクの恋人)(でも愛は、とっても大きくて)
匿名様からのリクエスト、アーティ×ショタチクさんです。
書き終わってからあれ、これショタじゃなくても良くね…?とか考えました…\(^o^)/。
書き直しなどはいつでも受け付けておりますので、ご不満でしたら是非お申し付け下さい…!
リクエストありがとうございました!