「ノボリ、ノボリ。」

「何ですか、クダリ。

「もし、ボクがいなくなったらノボリはどうする?」

「…はい?」

突然奇妙なことを聞き出すクダリに、私は思わず間の抜けた声を上げてしまった。

「だからさ、ボクがいなくなったらどうするかって聞いてんの。」

「何を突然…。」

「良いから答えて。」

ずい、といつもの笑顔のまま顔を近付けるクダリ。

我が弟ながら相変わらず奇妙に思い、私は思わず後ずさった。

(…クダリが、いなくなる。)

そんなこと、今まで一度も考えたことがなかった。

だって、クダリが傍にいるのは当たり前だし、これからもずっとそれは変わらないと思っていた。

けど、それが私の思い込みだったら、当たり前じゃなかったら?

(もしも、もしもクダリがいなくなったら私は―――)

「…っ、う…」

「!? の、ノボリ!?」

そう考えると、何だかとても悲しくなってしまい涙が溢れてきた。

「…いなくなる、なんて…冗談でも言わないでくださいましっ…。貴方様がいなくなってしまったら…ひぐっ、残された私は、どうすれば良いのですか…!!」

他人から見たら滑稽にも見えるかもしれない。けれど、私にとってクダリを失うなんて考えられなかった。

「…うん。ごめんねノボリ。そんなこと聞いたボクがバカだった。」

そ、とクダリが私を抱き締める。

「…もう、バカなことは言わないでくださいまし。」

「ん、約束。」

はい、と差し出された小指と自信の小指を絡ませる。俗に言う指切りという奴だ。

「ノボリのためなら、ボクはずっとノボリの傍にいるよ。」

「…約束ですからね。」

「うん。」

そう言うと、クダリは先程とは違う、屈託のない明るい笑顔をみせた。

それを見て私も安心してしまったのか、思わず口角が上がってしまった。

「あ、ノボリ笑ってる。かーわいー。」

「っ…!お、お黙りなさい!」

私はそんな気恥ずかしさを隠すかの様に、帽子を深くかぶり直した。



(キミを失う、なんて)(考えるのもおこがましい)












こう様リクエストのクダノボでした…!あわわ何か相互依存と似たような話になってしまいましたね…orz

書き直しなどはいつでも受け付けておりますので、気に入りませんでしたらぜひぜひお申し付け下さい…!


リクエスト、ありがとうございました!