「春が来たな。ハチク」

そう言って、アデクさんは笑った。
その明るい笑顔に、思わず私も釣られて笑い

「…そうですね」

と、返した。

「お主の季節が、終わってしまったな」

「はい、そうですね」

春は雪溶けの季節。
暖かな日差しが、雪に覆われた大地を優しく溶かす。

私は、それが少しだけ物悲しかった。

それは自らが氷タイプ使いであり、雪の降る町に住んでいるからなのかはわからないが、一抹の寂しさを感じていた。

だが、それと同時に春が来る。
私はその春の訪れは、嫌いではなかった。

「なあ、ハチク。春は嫌いか?」
「…いいえ」

暖かく、全てを包み込んで冷を溶かしてくれる。
まるで、貴方の様な季節が、好きだった。

「春は、アデクさんの季節ですから」

そう言って私が笑うと

「…そうか。それは、嬉しいのう。」

ポンポンと、アデクさんは私の頭を撫でた。

その大きな手からは、太陽の匂いが仄かにした、



(貴方は春で私は冬)(春が冬を、抱き締めた)












アデハチ書いちゃったテヘペロ