昔は良かった。今と違って思い切り甘えられたし、抱っこもしてもらえた。
でも、進化してしまった今は違う。
強くなったのは良いけど、鋭い爪に大きな体。確かにバトルでは役に立つ。
でも、昔みたいにご主人にあまえられなくなった。
抱きつけば爪で傷つけてしまうかもしれないし、こんな巨体を抱っこ出来るはずもない。
進化しても前とは変わらないバニリッチ。それに元々進化しないフリージオはご主人に甘えることが出来る。正直羨ましい。
せめて、皆の邪魔をしないように、と隅っこに移動すると、ご主人が
「…ツンベアー?」
と、何かに気づいたのかこっちに来てくれた。
「ずいぶん静かだが…、具合でも悪いのか?」
違う、違うんだご主人。
フルフルとボクは首を振る。するとご主人には
「…進化してもお前はお前だ。何も遠慮することなんてない。」
全部わかってるかの様に、静かに笑いながらボクの頭を撫でてくれた。
「私にとっては、いつまでも可愛いままだ。」
…ボクはその言葉が嬉しくて、泣きそうになったけど、それを堪えた。
やっぱり、ボクはまだまだ甘えん坊から抜けられそうにないなぁ、と一人考えた。
(まだまだ貴方に甘えたい)(だって大好きなんだもん!)
ツンベアー可愛い…。
ハチクさんのこと大好きだといい…。