あの人は奪いすぎたのではない、求めすぎたのだ。

それは決して手に入らないものではない。ただあの人には与えられなかったのだ。

その結果あの人は、全てを無くしてしまった。

私は彼の望むものを与えてやれなかった。私には与えられなかったのだ。

だって、彼が欲しかったのは「愛」なのだから。

あの人は私を愛した。だから私もあの人を愛した。

けれどその愛は本物なのか?

あの人はボス、私は部下。そんな見えない壁があることを薄々感じていた。

私が与えたのは、きっと偽りの愛。「愛しろ」と命令されたかの様に考えて、ただ事務的に彼を愛していたに過ぎないのだ。
だとしたら私はなんて罪深い!愛が欲しかった彼に、私は偽物を与えてしまった!

謝っても謝っても謝りきれない。彼を思い出すたび胸が苦しい。

あぁ神様。私は彼を愛するべき、愛さなければならないのです。

だから、どうか、あの人を返してください―――!



(もう戻らない貴方に)(溢れんぐらいの真実の愛を)









アカサタはどうしても切なくなっちゃうね仕方ないね