仕事中、私がいつも通り書類にペンを走らせていると

「ノボリ、ボクが死んだらどうする?」

と、クダリはいつもと何ら変わらない様子で奇妙なことを聞いてきたので、私は思わず

「…はい?」

と、間抜けな顔をして聞き返してしまった。

「だからさ、ボクが死んだらノボリはどうする?」

「死ぬって…。何処か具合でも悪いのですか、クダリ。」

「んーん。全然健康。」

「では、どうして…。」

「ちょっと、気になったから。」

そういうとくるり、とクダリはその場で一回転してみせた。

我が弟ながら、言葉の真意が読み取れない笑みに、少しだけぞっとする。

それでも声を絞り出し、私はクダリに言った。

「…もしそんなことがあったら、私も死ぬでしょう。」

これが、私の答えです。

そう言うと、クダリは今度はきょとんとした表情をみせた。

「…何で?何でボクが死んだらノボリも死ぬの?」

訳がわからない、と言うかと様にこちらを見つめるクダリ。

「クダリ、私達は双子です。」

「うん知ってる。」

「…私達は、二人で一つ。貴方様を失っては…、半身だけでは私は生きていけません。」

そう、私達は、二人で一つ。

それは今まで生きてきた中で揺らぐことなんてなかったし、これからもないだろう。

「…うん、そうだね。ごめんねノボリ、変なこと言って。」

どうやら満足したのか、クダリは先程とは違う、明るい笑みを見せた。

「いえ、わかってくれたなら良いのです。…では、仕事に戻りましょう。」

「あ、待ってノボリ。」

「はいっ…!?」

その瞬間、突然クダリに背後から抱き締められ思わずペンを落としてしまう。

「ボクも、ノボリいなきゃ生きていけない。…だから、これからもずっと一緒だよ。」

「…はい。

ちょっとだけ恥ずかしかったけど、私は体に回されたクダリの手をギュッ、と握り返した。


(キミを失う、なんて)(依存しているのは、どっちも)










とにかくうちのクダノボは依存しまくり。
どっちかいなくなると精神不安定になるぐらいがいい。