▼呪い(3部妹主男体化/DIO様/暗い)
05/09(22:55)


「貴方は若すぎて、駅前のドライバーとはまるで同じ歳に見えない」――とは、ネアポリスでタクシーの真似事をしていた少年こと、表通りでそれなりに目立つ診察所の上に転がり込んできた汐華初流乃(イタリア風に発音するとジョルノ・ジョバァーナ)の口上である。
 転がり込んできたといえば語弊があるかもしれない。弱冠15歳にして本格的な家出を敢行し、自ら生活費を稼いでいたらしいジョルノに昭は感心さえしたが……野良犬のようなその日暮らしを見過ごすことができず、半ば押し切るような形で下宿先を提供していた。
 本当の理由で言えば、それだけではないのだが。

 ――――キュッ

 蛇口の水を止める音が冷涼に響いた。鏡に映る自分の姿に、空条昭は今頃学校にいる少年の言葉を思い出す。確かに同世代の連中と比べれば随分若い、と思う。父親も兄も若い方だから単純に家系だろうか、それともあの「美しき吸血鬼の呪い」だろうか?

 一滴、二滴、頬から顎に水滴が伝う。

 今でも鮮烈に思い出す、均衡のとれた筋肉の踊るような動き、冷たい肌に伝う熱い汗、ルビーよりも赤い瞳が闇夜に光る姿。神秘的というよりは野性的で、脈々と流れる生命のようなものを感じさせた。人間を"辞めた"存在に対して使う言葉ではないかもしれないけれど。
 美しい人だった。
 同じくらい、冷酷な人だった。
 だからこそ昭の兄である、空条承太郎に屠られ、あれが恋なのか愛なのか気の迷いなのか、全てが灰になってしまった今では分からないままなのだ。十数年経った今でもその幻影に魘されて眠れないのだと、言えば皆は笑うだろうか。言えるはずもない。これは、死してなお沈黙を貫くべき罪悪なのだから。



-----------------
昭子の男体化。名前は昭。
DIO様に恋したけど、決戦の最中DIO様に眠らされていて気付いたら全て終わってて、それ以来夜一人で眠ることにトラウマを抱えている。
5部以前からジョルノと暮らしてる。
追記は無駄に詳しい設定。




追記

<< >>


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -