やはらかにあをめる



※現パロ(高校生)設定になります。OKな方のみどうぞ。



「でもね、やっぱり私なんかじゃ、ダメだから」

――カラリ。透明なグラスに入った、溶けかけの氷たちが、やんわりと照明を反射していた。

「もう! 何言ってんのよ。だからアンタは優しすぎるのよ、名無子!」

ダンっ! とまた、テーブルが叩かれた衝撃で、カラカラと氷たちが音を立てる。

「そんなんじゃない…、ただ、私、彼に迷惑がかかるんじゃないかって…そう思うと。黙っていた方がいいんだって」

「だって、ね」と、くぐもった声が二人の間に落ちる。

「アンコちゃんだって知ってるでしょ? オビトくんは……、オビトくんは、リンちゃんのことが好きだから」

「だから私なんて、邪魔になるだけ」。
そう言って目を伏せた名無子に、アンコはまた拳を振り上げかけ、ぎょっとした。

「……、っ」
「名無子……、アンタねえ……。泣くほど好きなら、それこそ告白しちゃえばいいのに」

ポタリ。
名無子の頬を滑り落ちた雫が、静かにグラスの氷を打った。



オビトと名無子。二人の出会いは、小学校時代に遡る。
といってもあの頃は、二人はただの“クラスメイト”に過ぎなかった。大勢いるうちの一人。それ以上でも、それ以下でもない。特に名無子にとっては、“うちはオビト”という存在は、騒がしくて、トラブルメーカーで、その上落ちこぼれという、お世辞にも“好意的な”対象ではなかった。

それが急変したのは、高校に入学した春のことだった。

「あの……オビトくん。久しぶり。私のこと…覚えてるかな?」
「……ああ」

中学校三年間。お互い別の学校へ進学し、名無子はとんとオビトの噂を聞くこともなかった。だから、高校でまたクラスメイトとして再会したとき、それはそれは驚いたのだ。昔のクラスメイトの、すっかり変わってしまったその姿に。

まず外見からして。ケガでもしたのか、彼は常に左目に眼帯を着けていた。しかも、顔の半分は痛々しい傷が覆っていて、この数年の間いったい何があったのかと、名無子は思わずにはいられなかった。

それに変わったのは外見だけではなかった。話し方も、立ち振る舞いも、本当にこれがあの“オビト”かと、疑ってしまうほどの変貌であった。

そういったこともあってか、オビトは、クラスでもどこか浮いた存在であった。遠巻きに見られているような節もあった。そして名無子も、はじめはそのうちのひとりであった。転機が訪れたのは、秋も終わりの頃だった。


「くっそぉ……なんでこんな入れ方すんのよっ!」

部活動も終わり、日の暮れた帰宅時間のこと。
駐輪場で名無子は、どうにか自分の自転車を引きずり出そうと四苦八苦していた。

「全く…周りのことも考えなさいよ、ねっ!」

両隣に無茶な停め方をされたせいで、名無子はなかなか自分の自転車を移動できずにいたのだ。

「――あっ!」

ガシャン! 少々強引に引っ張ってみたところ、ハンドルが隣の自転車に引っかかり、止める間もなく傾いていく。

「やば、」

ガッシャーン!
次々と耳障りな音が連鎖し、名無子の周りの自転車はあっという間にドミノ倒しに崩れてしまった。

「うっそぉ……もう、なんでなの……ハア」

仕方がない。一面倒れてしまった自転車をそのままにしておくわけにもいかないから、名無子は地道に一つずつ自転車を並べなおすことにした。
そんなときだった。

「よっ、と。って、ああ、名無子か……。お前、派手にやったな」
「あ……。オビトくん」

ひょっこりと顔を出したのは、うちはオビトその人だった。

「ほら。ボサボサしてないで、早く片付けるぞ」
「う、うん」

現れるなり、オビトは黙々と自転車を立て直していく。

「あの、オビトくん。どうもありがとう、助かるよ」
「いや。ちょうど通りがかったらな、すげぇ音が聞こえてきたんで…来てみたらこのザマだよ。見なかったフリして帰るわけにもいかねェし」

ぽつぽつと会話を重ねるうちに、名無子は、自分が思っていたほどオビトが変わっていなかったことに気付かされる。

「ふふっ…オビトくんって。案外、昔っから変わらないね」

そう笑った名無子を、オビトは少し驚いた顔で見つめていた。
小学校時代から、オビトはなんだかんだと問題児ではあったものの。実は、困っている人を放っておけないタイプだよね、などとよく言われていた。

「ね、今日はありがとう。お礼に明日、なんかジュースでも奢るから!」

おう、と言って去ろうとしたオビトの背中へ、ふと、名無子は問いを投げかける。

「そういえばさ。オビトくんって、やっぱりまだ、リンちゃんのことが好きなの?」

――なんてことはない。何気なく口をついて出た、他愛ない話題のつもりだった。
ただ、予期していたはずの反応がどうしてか、名無子の胸を締め付けた。後になってやっと、その意味がわかった。

あのとき、バッ、とものすごい勢いで振り返ったオビトの顔を、名無子は今でも鮮明に覚えている。

小学校時代にオビトが片思いしていた“のはらリン”。彼女もまた、名無子やオビトと同じ高校に通っていた。そして今、オビトが所属している運動部で、マネージャーをやっているのもそのリンだと聞いていた。

だから漠然とそんな予感はあった。それが名無子の中で、はっきりとした瞬間だった。

「……ねえ、私、応援してるから! 二人のこと。カカシくんに負けないでね!」

名無子は、己の胸の内に一抹の違和感を抱えながら、それでも、心からそう、言っていた。
――少なくとも、このときは。

この言葉が自分を、縛り付けることになるとも知らずに。


駐輪場での一件から、名無子がオビトへの淡い思いを自覚するまでに、さほどの時間はかからなかった。

“いつの間にか、彼を目で追っていた”

そんな、いつかどこかで聴いた流行りの歌みたいなことが、現実に起こっていた。
振り払おうとすればするほど、オビトを意識してしまう名無子がいた。

それに拍車をかけたのは、あれから一月後の席替えでのことだった。

「名無子か…よろしくな」

幸か不幸か、名無子の真ん前の席になったのが、オビトだった。
ただ席に座って顔をあげるだけで、そこには、オビトの背中があった。その後姿をじっと見つめている自分がいることに、そして、そんな些細なことに喜びを感じていることに、名無子は気づかざるを得なかった。

「おはよう」と、いつしかたったそれだけの言葉で、世界が色づくような気がした。胸が弾むような心地がした。
名無子は日に日に色んなオビトの表情を知っていった。昔より大人びたけれど、やっぱりまだ面影は色濃く残っていて。そんな新鮮で、けれども懐かしいオビトの姿に、目が離せなくなった。たまにドジ踏んだりするところも、すべて名無子の胸を高鳴らせる要因にしかならなかった。

いつか、振り向いてほしい。私だけに笑いかけてほしい。そんな願いが、日ごとに募った。

だからこそ、“あの日”の言葉が。

『私、応援してるから! 二人のこと』

名無子の胸を、締め付けて放さなかった。



* * *



――それから。二年に進級して、オビトと名無子は、別々のクラスになった。
これがいい機会だからと、名無子は、自分の気持ちを忘れようとした。それでも、ふとした瞬間、廊下ですれ違うとき、校庭を眺めたとき、どうしてもオビトのことを探してしまう。目で追ってしまう自分がいた。どうにか振り払おうと、部活動や勉強に没頭した。

そうしてまた、一年が過ぎた。やがて周囲も“受験”の二文字に染まっていき、名無子も、後ろ髪を引かれるような思いのまま、高校最後の夏を迎えた。


「んー……、ないなぁ……」

放課後の自習室。最後まで残っていた名無子は、一度教室を出た後で、忘れ物に気が付き引き返した。
なかなか見つからないそれに唸っていると、不意に、ガラガラ、と教室の戸が開いた。

「ん……名無子か」
「あっ……オビト、くん」

まさか、と思って名無子の心臓は、うるさいくらいに跳ね上がった。

「どうしたんだ、こんな時間に」
「うん…どうも、さっき忘れ物しちゃったみたいで。見つからなくて」
「忘れ物? ってもしかして……これか?」

「あ!」と思わず名無子は声を上げた。なぜなら、オビトの差し出したノート、それこそ名無子の探し物だったからだ。

「ありがとう! …でもどうして、オビトくんがこれを?」
「いや、たまたまさっき、オレもここに寄ったんだが…そしたら机の上にポンと置いてあったんでな。それで職員室に届けるかと思ったんだが…また電気が点いてたんで、見に来たんだ」
「そっか……ともかく、見つかってよかった。ありがとう」

ノートを受け取って、それから一瞬、しんと沈黙が落ちる。

「……ねえ」
「ん…?」
「その後、どう、その……、リンちゃんとは」

自分から訊いたくせに。名無子は、まともに顔も上げていられず、そっと俯く。

「いや……、なに、そういうお前の方こそ、どうなんだよ、名無子?」
「えっ、私?」

まさか自分に振られるとも思わず、名無子は素っ頓狂な声をあげる。

「好きなヤツとかいねェのかよ、そっちこそ」
「わ、私は…、…。いるよ、その、好きな人」

「そっか」と告げるオビトの声も、まともに聞いた心地がしなくて、名無子はひたすら自分のつま先を見つめていた。

「……どうなんだ、その、ソイツとは?」
「あ、あはは…。それがね、からっきしだよ、ずっと片思いで…」

「本当は、あなたが好きです」なんて、そこまで口にする勇気はとてもなかった。

「ね、私たち、おんなじだね。片思い同士でさ」

はは、と笑ってみせた顔が不自然じゃないか、そればかりが名無子は不安だった。

「だからさ! やっぱり応援してるよ、私、オビトくんのこと。まるで自分のことみたいで!」

お互い頑張ろう、そう言ってオビトがどんな顔をしていたか、それすら記憶ははっきりしない。
ただ、ぼうっと熱に浮かされたような気分で、けれどどこか泣きたいような気持ちで、名無子は一人帰路に就いた。



* * *



そうして二人の関係は、進むことも、崩れることもなく、ただ矢のように時間だけが過ぎていった。

冬になると、名無子は遅くまで学校に残り勉学に励んだ。帰りに、親友でクラスメイトであるアンコと、ちょっとしたお店に寄っておしゃべりしたり、息抜きするのが密かな楽しみでもあった。

そんな中で当然のごとく話題の大半を占めたのは名無子の恋愛話であって。じれったい恋模様に辟易しながらも、アンコはなんだかんだで最後まで話に付き合うのだった。

(にしても。この様子じゃ、埒が明かないわねェ)

この日も、さんざん名無子の愚痴を聞かされ、涙まで見せられてしまったアンコは、とある決意を固めた。



「ちょっとアンタ、ツラ貸しなさいよ」
「は?」

アンコが突如、オビトの元を訪れ、呼び出したのが翌日のこと。

「しらばっくれんじゃないわよ。ネタは上がってんのよ、ネタは!」

バンッ! と思い切り机を叩かれて、オビトは眉をしかめる。しかし、次の言葉ではっと目を見開いた。

「名無子のことよ、名無子!」
「名無子が……アイツがどうした」
「はっ! 澄ましてくれちゃってさ。さんざん名無子のことを弄んでおいて何言ってんのよ!」

は、とオビトは眉間のシワを深くする。

「聞いたわよ、はたけカカシに。アンタ…、名無子のことが、」
「おっ、おい! 待て、それはっ!」

「や、オビト。悪いね、この子、どうしてもってきかなくて」
「カカシィ!!」

あわやオビトがアンコに掴みかからんところで、ひょこひょこと銀髪頭が顔を出す。

「オビトは知りたくないの? 名無子ちゃんの好きな人」
「は…?」

ニヤリ、とアンコは嫌な笑みを浮かべる。

「そうよ。アンタがぜーんぶ素直に白状するなら、教えてやってもいいわよ、名無子の想い人」



* * *



「……と、いうワケで。今度からアンタも協力しなさいよ、はたけカカシ」
「えぇー? 強制なの、それって」
「あったりまえよ!」

三人が解散した後で、こっそりとアンコとカカシだけが教室に残っていた。

「……にしても、さ、流石に可哀想だったね、オビト」
「はっ、『教えるっつっただろ!?』なーんてさ、必死だったわね〜、男らしくない」
「……ははは……」
「あーあー。思わせぶりなことしといて。今更『本当は名無子が気になっていた』なんて、ね? なによそれ? ムシがよすぎるでしょ」 
「……」
「しかも名無子に『好きな人がいる』って言われてショック受けて自覚したなんてさァ……、ねえちょっと聞いてんの、カカシ!」
「はーいはい」
「とにかく! 明日から私らがお膳立てしてあげるのよ、いいわね!?」



……そんなこんなで、名無子とオビトの関係は進展するかに思われた、のだが。
肝心の当人たちがお互いに勘違いしているせいで、遅々として距離は縮まらなかった。

なにしろ、名無子はずっとオビトがリンを好きだと思っていたし、しかもそれが小学校から高校に至るまでの並々ならぬ思慕だと思いこんでいたため、そこに割り込もうだなんて、と、怖気づいていた。その上それを応援するとまで言ってしまった手前、今更自分が好意を抱くなどと、後ろめたさがあった。極めつけに、時期が時期だけに、こんな色恋沙汰は互いのためにならない、と完全に尻込みしてしまっていた。

対してオビトは、名無子には好きな人がいて、それがまさか自分だなんて思いもしなかったから、心底落ち込んで、臆病になっていた。
もし仮に名無子に告白したとして。それが何になるというのだろう? 既に失恋は決まっているというのに。面と向かって拒絶され、受け入れてもらえなかったら。今度こそ自分は立ち直れないかもしれない。過去の経験を、オビトはいまだに引きずっていた。


「はあ……ダメだな、こりゃ」

大事な時期なのに、受験勉強にも身が入らない。オビトはヤケになって自習室で机に突っ伏した。

『応援してるから、二人のこと』

思い出すのは、名無子のこと。そして、リンのこと。

(あんな風に言われたんじゃ…。やっぱ、脈なし、だよなぁ)

確かに、オビトは小学校時代、リンに思いを寄せていた。それはもはや周知の事実だった。
だが、名無子は知らない。オビトが、中学校の頃、既にリンに告白して玉砕していたことを。

それでも、オビトは高校入学までずっとリンのことを引きずっていた。それを変えたのが、名無子との再会だった。

『好きなヤツとかいねェのかよ、そっちこそ』
『わ、私は…、…。いるよ、その、好きな人』

思い切って訊いてみたあのとき。恥ずかしそうに、おどおどしながら名無子が告げたその言葉に、オビトはまるで頭部を鈍器で殴られたような感覚だった。

『そっか』

頭の奥がひたすらガンガンして、視界がぐらぐらするような、目眩に似た何かに襲われた。たった三文字、それだけの返事を絞り出すのが精一杯だった。自分でも、かっこ悪いと思った。
――まさか、こんな形で自分の好意を自覚する羽目になるなんて。



「あー、ダメだダメだ。……ふぅ。よっと」

一度気分転換に外の空気でも吸ってくるかと、オビトは立ち上がる。
そこでちょうど、ガラガラ、と教室のドアが開いた。咄嗟にオビトが顔を上げると、丸くなった目と目がかち合った。

「あ…、オ、オビトくん」
「名無子…?」

しん、と二人を気まずい空気が包んだ。

(ど、どうしよう……私、)
(あー……、)

お互い焦りのあまり挙動不審になっているのだが、自分のことで手一杯すぎてそれどころではない。

「その…オレ、ちょっと、自販機まで…飲み物でも買いに行ってくるから」
「あ、うん……」

何を言ってるんだ自分は。オビトはどうしようもない気持ちになる。結局自分が選んだのは“逃げ”だ。
リンのことが、過去の光景が今と重なる。できることなら、踏み出したい。けれど名無子にまで、振られたら。そう思うと踏み出せない。

「……ま、待って、オビトくん!」
「!」

すれ違い際に、名無子はオビトを呼び止めた。

「あ、あの……、その、」
「……」
「あー……これ、」
「…?」

震えそうになる手で、名無子はポケットから、そっとピンク色の包みを差し出した。

「…アメ?」
「うん…よかったら。ほら、疲れたときには甘いもの、って言うでしょ?」

名無子の手からオビトの手のひらへ。それはきっと一瞬のことだった。けれども二人にとっては、ほんの少し触れ合った肌の温もりが足の先まで伝わって、心の臓の鼓動がどこまでも広がっていくような気がした。

オビトがコロ、と手渡された飴玉を見てみると、表には『合格祈願!』と赤い文字が並んでいる。それから一面のピンク色はよく見ると桜の花びらが舞うパッケージになっていた。毎年受験シーズンに嫌というほど売り出されるこの手の商品を、オビトは生まれて初めて好ましく思えた。

「頑張ろう、ね、お互いに、さ!」
「……ああ。ありがとう」


結局このときも、二人の間に決定的な進展は訪れなかった。それでも、何かが変わったのは確かだった。


「……ねえ、カカシ、見た? 今のオビトの顔! もうスキップしそうな勢いで教室から出てったじゃない、あーキモイキモイ」
「あ、ああ……(すまない、オビト……)」
「にしてもこれでもまだダメだなんて。困ったわね…タイムリミットも近いってのに」
「……そういえば、そのことなんだけど」
「?」
「大事なことを確認してなかった……もしかして、名無子ちゃんの志望校って――」



* * *



やがて、季節は冬も半ばを越えて。日々はあっという間に走り去る。


「合格発表はあちらでーす!」

慌ただしく人でごった返す並木道を、名無子は逸る気持ちを抑えながら歩いていた。

「……名無子!」
「……えっ?」

パシ、と急に手を掴まれて、名無子は困惑のまま振り返る。

「え……オビトくん!? なんでここに?」
「なんでもなにも。自分の合格発表見に来たら悪いか?」
「えっ……ってことはもしかして?」
「ああ……名無子、ほら、早く行こうぜ。まだ見てないんだろ?」
「あ、うん…!」

そのままオビトに手を引かれ、名無子の心臓は二重の意味で張り裂けんばかりに脈打っていた。


ポタリ、ポタリ。
うっすらと残る雪の上に、二人の足跡がついていく。その溝に向かって木枝の先から雪解け水が滴り、静かに跳ねた。

雪化粧も落ちかけた桜の梢は、まるで、開花のときを今か今かと待ち侘びているようで。心なしか、淡く色付いているようにも見えた。


「名無子…っ! そっちはどうだった?」

「うん、うん…っ! 私、ね、オビトくんっ、」


――きっともう、春は近い。

そんな予感が、胸を叩いた。



END

(2016/12/30)

*Thanks for your request !
現パロ/オビトがリンを好きだと勘違いしている夢主でもどかしい両片思い


[back]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -