「ううっ…そんな…なんで…っ!」

なんで、どうして。涙が止まらなかった。
いつしか色褪せかけた騒がしい後輩トビとの思い出も、少し怖いけれど不思議と嫌いではなかったマダラさまとの日々も、全部嘘だっただなんて。

信じたくなかった、だから私を置いて去って行った彼の背中を追いかけて、この戦場までやって来た。

そこで待っていたのは、あのぐるぐる渦巻き仮面でも、最後に見せてくれた傷跡の残る素顔でもなく、別人のような風貌となって変わり果てた彼の姿だった。

世界中の忍を敵に回し戦う彼は、今や神話に聞く六道仙人と等しい力を得たのだそうだ。

とても人とは思われないその姿、肩越しにゆらゆらと揺れる灯を背負ったその姿を見つめながら、今まで過ごした彼との時間が、そして後悔が、次々と頭を過って、涙が溢れて止まらない。

「ごめん…ごめんねっ…私なにもできなくて…っ」


“ロウソクあと20本くらい足りてないっス、センパイ”

“せっかくだから今度二人で使うか?”

悪戯っぽく火を吹き消した顔や、残念だと言いながら笑っていた声が蘇る。
あなたが思い詰めていたこと、気付けなくて、ごめんね…。


「私が…私がちゃんとお祝いできなかったから…っ!」

だから、だからこんなことになっちゃったの。こんな姿になってしまうほど、あなたは。


「こんな…こんなっ、自らケーキみたいな姿になっちゃうなんて…っ!」

ゆらり、彼の白い背中に、どう見てもロウソクのような炎が燃えていた。

今度こそちゃんとお祝いするから、ね、こっちへ帰って来てよ。



オビト誕生日おめでとう!



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オレ自身がケーキになるこ……ゴホンゴホン。
六道オビトがケーキみたいとは友人談です。まあ確かに蝋燭たってますね。

なんか〆の話がこんなんで色々とすみません、オビト愛してる。

2015/02/10

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