「…っふ、震えが……っ止まらな……さむっ…!」
「ホント、雪で…道が見えないっス…ックショーン!!」
「うわっ…アンタその仮面の下でクシャミとかきたな――」
「アッ 先輩ちょっとタンマー!」
「! なにっ?」
「よく見て…こっから先、多分これ、湖ッスよ」
「えっ!? …でも確かに…地図にもそう書いてあったかも……」
「こりゃあ見事なまでに凍ってますねえ……カチンカチン!」
「うん…って、え!? ちょっとトビ、何してんの!」
「何って…さっさと進みましょうよ。近道できそうなんだし」
「近道って、え!? アンタ、ここを渡る気なの!?」
「ええ、それが何か?ほら先輩も早く!」
「いややめっ、ちょっと待って、待ちなさい!こんな氷の上、なんてっ、危ないじゃない!」
「ええー……どうせ割れたって、ボクら水に落ちるわけでもあるまいし?そのまま歩いて渡ればいいじゃないっスか」
「それはそうだけど…チャクラを無駄に使うじゃない!それにアンタはねえ、いつも慎重さってもんはないの!?」
「慎重さ、ッスかあ?」
「そう!“石橋を叩いて渡る”って言うでしょ?大事な任務なんだから、何事も慎重に、用心して――」
「あーハイハイ。分かりましたー!んじゃこれでイイっスか?えいっ!」
「ッ、ぎゃああああ!!!」
「……先輩…こんなマジで殴らなくても……グスン……」
「…はあ?こっちは死にかけたんだけど?……しんっじらんない…アンタって…もう…何考えてんの…?」
「何って……先輩が叩いて渡れっていうから叩きました、そしたら割れました」
「はああー……もうアンタなんかこの湖に沈んでしまえ……」
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季節外れですみません。これでも読んでゆっくり涼んでいってね!!
2015/06/25