「今夜時間はあるか」と問われ、返事をする間も無く「付き合え」と命令されたある日の晩。「何するんですか」と訊けば「お前には練習相手になってもらう」だそうだ。
「拒否権は?」
「あると思うか?」
……というわけで問答無用で拘束された。
「ま、待って、やっぱり無理、心の準備が…っ」
「観念しろ…いくぞ」
「あっ!いっ、たっ、…だめ、え、これ以上は…!」
「フッ…何を言う、まだまだこれからだぞ」
「っ、き、つ、」
「ほら、さっさと動け」
「…むりぃ…!こんな…キツくて、動けな…っ」
「…これではお前を呼んだ意味がないな。仕方ない。オレが動かしてやる」
「…うっ、あ、だめ、そんなにしたらっ、壊れちゃうぅ…!」
……だからやめてって言ったのに。きつく拘束され締め上げられたせいで、洗いたての服はシワシワになっちゃったし、身体にも思いっきり跡が残った。その上身に着けていたお気に入りのアクセサリーだって、絡まって壊れちゃったじゃない。こんなのって、ひどいよ。
「弁償してください」
「ならば代わりにこれをやろう。お前にお似合いだったからな、好きなだけ巻くと良い」
「いや、代わりっていうかこれ、鎖ですよね。鎖はもう結構です」
「遠慮するな、オレとお揃いだぞ?」
鎖とかいう上級者向けアイテムを難なくファッションに組み込むとは、やはり天才か…。さすが我らがマダラ様だ。私にはちょっと、このキケンな香りのするアイテムを使いこなすのは無理だと思う。
にしても、ジャララ…。さんざん甚振られたおかげで、いい加減あの音が頭から離れない。もうしばらく、鎖なんて見たくない。
END
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何事も基本は練習ですよね。というわけで彼もジャララ…テクニックを修得するまでにジャララ…の練習やジャララ…があったのジャララ…
2016/04/19