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「ひぁああっ…待っ、きょーやぁあ…ッ! おねッ、待っぁああンぁっあっあっ!」
「っ生憎、もう待てません…ッ」
「ふぁあンっあんっあんあんっ! あ! あ! すご…ッ激し、ぁああー…ッ!」

 私の頭にしがみついていた両手で破りそうな程にシーツを掴み、鳴きながら腰を振りたくる真さん。
 余す事なく快感を貪ろうとするはしたない姿に脳が沸騰しそうになる。

「く…ッ」
「あっ! あっあっあっ! イイぃい…ッイイよぉっ! 恭哉ぁ…ッあ!」

ぐちゅぐちゅぐちゅっ
ずず…っずぱん!

 加減しなければと冷静になる私も確かに存在するが、構っていられない。
 壊し尽くしてしまわない程度に真さんのナカを味わう事しか、考えられない……!

「あぁぁ…ッきょ、恭哉ぁああ…ッ! ぁう…っらめ、もっ、ぁうんッ!」
「はぁっ…ん、イキそうですか?」

 がくがくと首肯し、彼は私の足に片手を重ねた。血が滲むまでに爪を立てられるが、それすら愛おしい。
 真さんの左足をベッドに下ろし、空になった右手で彼自身を縛り上げる紐を解きに掛かる。しかしその間も抽挿を止められない上、「早く早く」と舌足らずな声で真さんが急くので、焦ってしまい上手くいかない。

「ぁあ…ッも、もう無理ぃいい…ッ! きょーやっ、はや…早くぅッ! ッん…解いてっ解いてよぉおおっぁン!」
「もう少し、だから…! 多少は我慢を覚えろ、真…!」
「ッ無理ぃっふぁあン! あんあんあんっ! ぁっ…せめ、てぇっもっと、ゆっく…ィぁああああーッ!!」
「ぅあ…ッ」

 彼を宥めすかす事に夢中で、解放した瞬間の締め付けへの準備を怠った。
 間抜けな呻き声を上げ、私は真さんと仲良く一緒に達していた。







「機嫌を直して下さい、旦那様」
「……」

 私に背を向け抱き枕に顔を埋めたままの主人に嘆息する。
 交ざり合って暫くしてから、後処理の間も、就寝の支度中も、ずっとこの調子だ。まともに私と眼を合わせようとしてくれないし、勿論一言も口を利かない。
 片腕を着き仏頂面の彼の横顔を眺め続けるのも気が滅入り、私は小さく息を吐きキングサイズのベッドに横になった。
 もう一人潜り込んだ事でずれ落ちた布団をきちんと真さんに掛け直し、眼を暝る。

「おやすみなさい、真さん」

 昼間の仕事に加え夜の運動で擦り減らした体力を補うべく、直ぐに意識は解けた。



「……二人きりの時くらい、さっきみたいにさん付けも敬語も止めろ。馬鹿恭哉」


Fin.




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