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「っぁう…ぅん…」
「苦しいですか?」

 口を開いて待っている後孔に自身を宛てがい、しかし挿入はせずに問い掛ける。
 健気過ぎて嗜虐心を擽られる泣き腫らした眼は私を見詰めている。彼はやがて弱々しく首を横に振った。

「ぁッ…平気、だ…」

 否定する言葉を紡ぐ時、唇から唾液が伝うのが見えた。
 それが酷くいやらしいものに映る。

「……それなら、こんな趣向は如何です?」
「え…ッひぃあっ!?」

 なので、もっと虐めてあげる事にした。

 ぱくぱくと開閉しご褒美を欲しがるアナルに指を二本突っ込み、熟知している真さんのイイところだけを揃えた指で執拗に突く。
 放埒出来ないペニスを咥えてやると、ぶわっと苦みを帯びた先走りが口の中に広がった。

「ぁっ、あーッあーッ! ひぃいいン…ッいっ、あッ、止め…っくぁああ!」
「んぶ…ちゅくっ、ちゅっ…っハァ…。どうです? 堪らないでしょう…?」

 ちゅるちゅるとわざと唾液を肉棒に絡め、意図的に上目遣いを作って真さんを見遣る。
 掴んだ瞬間は引き剥がす目的で私の髪の毛を引っ張っていた筈なのに、もう彼の手は私の咥内へ自身を押し付ける為にしか活用されていない。
 私が頬一杯まで自分のモノをしゃぶっているといういやらしい光景を見て余計に感じる恥ずかしい真さんは、私と目線が合うと再びどぷりと透明の淫液を吐き出した。

「ぁっ…ぃや、ぁうう…っンあっひ、ひぁあ…ッ」
「ンッ…何が嫌、なのです? 自ら私にもっとしゃぶれと腰を回しておいて。真さんのチンポ、ガチガチですよ?」
「ぅぁあっ…ゆーな、ぁっ、ィっあ! あぁ…ッくぅ、あっあっぁひィ!」

ぐちゅっぺちゃっくちゅ
ぬち…っちゅうううう!

「あぁあああぁッ!!」

 思い切り吸引してやると、真さんは私の髪を引き千切る勢いで握り締めながら、出せないまま達した。
 太股に挟まれた頭を少し巡らせて真さんを窺う。彼は喉を反らし、「あっ、あっ」と今も途切れ途切れに嬌声を漏らしていた。

 口淫という名の悪戯を止め、私はどっぷりと余韻に浸る真さんの両足を肩に担いだ。
 今にもイキかねない情けない自身を下の口に添えると、その熱に勘付いたらしい真さんが眼を向ける。

「んぁ…っ?」

 まず私の顔を見て、ゆっくり下降した視線は私自身を捉え、最後にそれが挿入直前の体勢だと気付いて眼を見開き、

「――ッ!!」

 声もなく全身を仰け反らせた真さんが絶頂を迎えるのは、今日で何回目だろうか?


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