再会を誓いました




今日は俺の家でデートっつうわけで

雪の大好きなケーキを買って、足取り軽く待ち合わせ場所に向かってた


横断歩道で足を止め、ふと渡った先を見ると雪と桜庭が話していた

こっそり行って後ろから脅かしてやろうか

そんなことを考えていると信号が青になった

俺は一歩

足を踏み出した




そっからはもうスローモーション


(おいおい、寝てるよこの運転手)

もうトラックは目と鼻の先

(勘弁してほしいっちゅう話し…)


頭が真っ白になった


痛い通り越して体中が熱い

焼け死にしそうだ


『令司!!』

あ、雪が呼んでる

返事しなきゃ


必死に絞り出した俺の声は、君に届かなかった





























気がつくと真っ白い空間に居た

周りをこれまた真っ白い連中が忙しなく動いている


『令司』

突然

震えた雪の声が聞こえた

白いやつらはもう居ない



「泣くなよ、雪に泣き顔は似合わない」

そう言いたいのに酸素吸入マスクっての?
まぁそれが邪魔して声がでない


感覚のない手にあるだけの力をいれてマスクを外した



「雪、泣くなよ…また会えるっちゅう話し、な?」

掠れてただろう
小さな声だったろう
震えてただろう

それでも精一杯笑った


「また会える」その言葉で

俺が死を受け入れてることが雪には伝わったみたいだ


『うん…うん…また、会えるよねっ!!』

雪は俺に合わせるように笑った

力なくも

雪の笑顔だ

「雪、キスしよっか」


彼女は頷き

慣れた動作で俺に唇を重ねた


彼女の顔をもう一度見る前に俺の体は悲しくも機能を停止した








(雪が幸せなら俺も幸せっちゅう話し)(貴方が居ない幸せなんて)

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