カウントダウンが始まりました




あの時すでに

カウントダウンは始まっていたんだと

俺は思う







「雪、何してんの?マルコと待ち合わせ?」

『あ、桜庭だー』
俺を振り向いた雪はいつもより化粧に気合いが入っているように見えた

『今日デートなんだ!!』

嬉しそうに笑う雪を見ると、なんだかこっちまで嬉しくなってしまい

つられて笑顔になった

その時

マルコがこっちに向かって横断歩道を渡ってくることに、俺は気づかなかった





ぐしゃっ









何かが潰れたような音が周りに静寂をもたらした











『ぇ……』












『れー…じ…?』


人がひかれたぞ!!

救急車呼べ!!はやく!!



遠くで叫んでる人達の中から聞き覚えのある声が叫んでる


『令司?ねぇ、起きてよ…令司…令司っ!!』



泣き叫びながら彼の名前を呼ぶ彼女

僕は何もできずに


立ちすくんでいた




(お知り合いの方ですか?)(そうです、と掠れた声で答えた)



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