「そういやさ」
「あ? ンだよ」
「あのとき、アダムどんな気持ちだったんだ?」
「あのときだァ〜?」
「エクスターミネーションでナマエが怪我したときの話だよ。一瞬だけど固まってたろ。散々ひどいことしてきたってのにあんな反応見逃すわけない」
「……」
「どうしたんだ黙っちゃって? なあアダム〜?」
「うるせえな……」
「言いにくいことなのか? ン〜?」
「…………」
「おい、逃げる気か」
「…………ちげえよ散歩だよ」
「……」
「………………、!?」
「わあ! あ、アダムさま。びっくりした……」
「……バイト終わったのか」
「はい! 今日のぶんも終わりました!」
「………………」
「? アダム、さま……」
「ナマエ」
「は、はい」
「……あー、いや……なんでもない」
「……?」
「ナマエ」
「エンジェル?」
「散歩に行くんだって。ヴォックステック社の前に期間限定のクレープ売ってるみたいだし、ついでに食べてくれば?」
「クレープ……! アダムさま、一緒に行ってもいいですか?」
「……」
「アダム、返事返事」
「あ、たりまえだろ」
「いってらっさーい」
「……」
「アダムさま、たのしみですね」
「……おー」
「……行ったか。……ハア、マジで……」


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