お出掛け提案会


※とある企画にご指名あったよ!と言う設定でリユキとオウカ

【リユキの場合】
少し前に真麻のトレーナー仲間が起こした企画があった。説明が難しく呼び名も企画としか言いようのないものだったが、あるお題に沿ってポケモン側がトレーナーを驚かしたりもてなしたり、それを撮影・編集して実況すると言ったものだ。
見る側の時は指差すほど笑ったが、やる側となると途端に面倒臭くてやりたくない。しかし企画者から直々のご指名だし比較としてオウカも指名予定らしいし、何より自分のマスターの喜ぶ顔を見るのも悪くない。
雑に扱ってはいるが一応自分が選んだトレーナーなので笑っていて欲しい。
そう言えば今回のお題はトレーナーとデートすることだった。ちゃちゃっと最近話題の場所や真麻の好みそうな場所を調べ、その中からライル達と女子会で行った場所や危なそうな場所を除外して、適度に休憩できる場所もピックアップしていく。年が近いとは言え年下で精神も幼めな真麻に合わせて計画を立て、未成年であることも加味して夕方に帰るくらいで良いだろう。
何事も健全が一番である。
参謀の地位を確立してしまったので一軍どころか二軍の予定まで把握している。もちろんトレーナーである真麻の予定もわかっていて、先1週間は暇であるのを確認していた。
自分の予定と擦り合わせてまあ明日でも大丈夫だろうと食後の茶を啜りながら提案してみる。

「真麻、明日俺とデートしよう」

「ぶはっ!!!」

俺の発言にオウカが吹いた。ダイニングテーブルが大変なことに。対面にいなくて良かったと心底思う。
ちなみに言われた本人はきょとんとこちらを見ている。小首を傾げて言葉の意味を考えているようだ。

「デート」

「おう。俺と2人だ」

「リユキちゃんとデート」

こてん、と反対に首を倒して、ようやく言葉が頭に染み渡ったようだ。パッと嬉しそうに笑ってパタパタ近付いて袖を引く。
尚、隣のオウカは咳き込んでいた。

「どこ行く?」

「明日のお楽しみだ。いくつか候補絞ったし、明日の天気と相談だな」

「ん、楽しみにしてる」

白い頬を赤らめてにこにこと笑う。基本的に目の前の主は人種性別存在すら関係なく構ってもらうのは大好きなため、デートのお誘いに大変喜んでもらえて光栄だが、隣で涙目で睨んでくるお前の相棒どうにかして欲しい。


【オウカの場合】
主人の友を自称する人間に面白企画とやらの指名を受けた。睨んで拒否しようと思ったが内容を聞いて先日のリユキの発言を思い出す。
デートをしようと宣言通り2人仲良く出掛けて行って夕方に主人がご機嫌で帰ってきた。一体何をしたのかと主人の話を聞いていたが特に変わったこともなく、しばらく機嫌が良かった。
ライルがリユキを突っつき回して何か話していたが最後に決まった肘鉄がとても痛そうだったのが記憶に残っている。
ところでお題がトレーナーとデートをすることだと言う。デートなど、と思ったがようは共に出掛けてくればいい訳だ。そんなことで主人が喜ぶならいくらでも構わない。
あの人と出掛けた場所で好きなところを思い出して並べていく。この時期はまだ冷たくて外に出るのは億劫だが、建物の中ならなんとかなるはず。そう言えばライルが新しくカフェができたと言っていたような。お喋りな同郷の言葉をぽつりぽつりと思い出して計画を立てていく。
ついでに主人の予定を思い出す。しばらく二軍と出掛けるからと昨日言って今日は既にリユキに送られて二軍の屋敷に行ったはず。次帰ってくるのは、と記憶を辿ったところではたと気付いた。
なんと言って誘おうか。
普段自分からどこかに出掛けようなどと主人に言わない。普段は主人の指名で共に出掛ける。それもデートと言った甘いものでなく何かの仕事やちょっとそこまでの買い物、二軍や友人宅への護衛など。
むしろパートナーの己でなくライルやリユキの方が一緒に出掛けている始末だ。
クラリと眩暈してそのまま枕に顔を埋める。
主人が次に帰ってくるまでになんとか誘い文句を考えなければ、出掛けることすら叶わない。








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