「レンリ先生!!おはようございます!!」

「あ、レンリちゃんだ〜いつ見ても若いよね!!実際問題レンリちゃんって何歳なの?」

挨拶してくる可愛い生徒達…からかってくる生徒、いろんな生徒達がいるがみんなが楽しそうだった。私が初代校長の座についてから早50年。もともと私は魔眼の代償で成長は止まっているため容姿は変わらない、というかいつまで経っても15歳くらいの見た目なのもどうかと思うが…よく今まで誰も学校側に苦情を言わなかったなと思う。ホント私が居なくてもこの学校は成長していくだろう、私が居なくとも…

「おい、アーネスト女性に年齢を聞くのはご法度だぞ。もしもこれがウェナだったらお前今頃…」

「ウェナだったら何ですかレンリ?」

「あぁウェナか、いやアーネストが年齢を聞いてきてだな…」

責任転嫁をするレンリ、背後に般若が見えるウェナ、ガクガクと怯えるアーネスト、なんとも面白い図だ。
さてそろそろ私は退散するか…

「あぁウェナ、後で話があるからリック達と私の部屋に来てくれないか?」

「え、えぇ…」

きょとんとするウェナだったがうなずいて皆を呼びに行ってくれた。
あははは…きっとこれが最後…嫌だなぁ



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「皆呼んできたけどどうしたのレンリ?」

「いや、皆に渡したい物があってな…」

レンリは一人一人にほう宝石が付いたアクセサリーを渡していく。それを不思議な顔をして受け取る4人

「あぁ、これは忘却の欠片-ルールフラグメ-と言うんだ。きっと皆に幸せを運んでくれる。そして離れ離れになったとしてもまた一緒にいられる」

泣きそうな顔で話すレンリ

「なぁレンリ、どうしたんだい?なんで泣いてるの?」

リックが心配そうに覗き込んで来る。
ごめんなリック、お前を悲しませるなんて嫁失格だな…
ウェナにヘルにサラ…みんな私に良くしてくれた、それなのに私はこんなことでしか返すことが出来ないなんてな

「そうだ、宝石の中に皆のシンボルを掘ったんだ。中々だろ?」

あぁ、皆を不安にさせてしまう。あのサラでさえ心配そうな顔をしている

「みんなそのアクセサリーを肌身離さずつけてくれたら嬉しいな。」

きっと言葉を切ったら泣いてしまう

「どうしたんだ皆?」

どうして黙ってしまったんだろう?

「レンリ…私達は頼りないかしら?ねぇレンリの役には立てないの?」

ウェナ…

「そうだよぉ?ヘルガはレンリちゃんが凄く心配、ヘルガはレンリちゃんが大好きなのに…」

ヘル…

「そうだ、何を私達に隠している?私はお前の事を最高の同士だと思っているのだぞ?」

サラ…

「ねぇレンリ、俺はレンリの何なのかな?夫だよね?知ってたよ、レンリが何かを隠していたことは。でもきっと、いつか話してくれるって思ってたから今までは黙ってたんだよ?そんなに俺は頼りなかったかな」

リック…
違う…違うんだ

「違うんだ、ただ私に勇気がなかっただけなんだ。私はこの心地好い空気が好きだったんだ、皆といるのが大好きなんだ、皆と離れたくなどないんだっ…!!」

「離れる?離れるってどういうことよレンリっ!!」

私の肩に手をおいて揺さぶって来るウェナ…
あぁだから言いたくなかった、皆を傷つけるから
私は皆を傷つけた、だから此処にいる資格などない
私は皆を…皆を傷つける

「ごめんなさい、でも私は…」

ゆっくりと私の肩に置いてあったウェナの手を退けるリック。そしてゆっくりとレンリの肩を抱いた

「そっか…きっとこんな日が来ることは予感していたんだ」

えっ、下を向いていた顔を上げるレンリ

「だからさ、渡したい物があるんだ皆から」

そうして手渡されたのは小さな宝石が付いた王冠だった。
宝石の色は各寮のシンボルカラー

「どうして…なんで…」

「この王冠はね、ヘル達皆で作ったんだよぉ」

「…私たちのシンボルカラー…本当はレンリが校長になった証、そしてリックとの結婚祝いとして渡したかったのだけれど、細かい所までこだわっていたらこんなにも時間が掛かっちゃったわ」

「この王冠には色々な魔法が掛かっているから常に持っていろ」

「…ありが…とう。ごめんなさい、こんな私で…」

泣き出してしまったレンリの頭を優しく撫でるリック

「…リックも…黙っててごめん。私は…リックが大好きなんだ…愛…してるんだ…だから…離れたくなくて、言いだせ…なくて…」

「うん、分かってる。良いかい?俺はずっとレンリの事を愛してるよ、これは絶対だ。この先俺がこの世からいなくなったとしてもだ。俺の1番はレンリだよ」

「うん、うん…」

「例え転生しても、記憶が無くともきっと俺はレンリと出会って、そしてもう一度恋に落ちるから…」

「私も…絶対にリックを探しだす。そしてまた恋に落ちる」

「きっと俺がこの世に生まれ落ちたのはレンリと出会うため」

「私もリックと出会うため」

「「私/俺達はいつまでも一緒だよ」」

二人で手を握り言葉を言った瞬間レンリの体が消えかかった

「私はまた皆と出会えると信じてる!!いや絶対に会えるから、この王冠大切に、肌身離さずもってるから!!皆大好きだ!!」

レンリはそういうと空気に解けていった






後にホグワーツ魔法魔術学校初代校長としてゴドリック・グリフィンドールの妻としてレンリ・キジョウの名は語り継がれることとなる
その容姿は若く眉目麗しい偉大なる魔女
肖像画は残されていなくお伽話の様に語り継がれている。

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蒼黒の長い髪をたなびかせ頭にはシンボルカラーの宝石の付いた王冠を付けていた初代校長は生徒の事を最優先に考え優しく聡明であった。
その魔女の名は…

レンリ・キジョウ

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花の枷に願いは重なって


The Creation era end

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