短編 *裏 | ナノ

イブ ミッドナイト



レイは、甘い夢を見ていた。



スネイプに愛していると囁かれて、髪を撫でられて、何度も…何度もキスをされる。




(これって…夢なのね。だって、先生がとっても嬉しそうに笑ってるもの)




(夢だから、だから……こんなこと、言ってもいいよね?)



「スネイプ先生……だいすき………」



するとスネイプは困ったような顔で笑った。


「全くお前ときたら…。目覚めたら、我輩から言おうと思っていたのに。我輩の立場を、無くさせるつもりかね…?」


スネイプは優しくそう言うと、レイの頬をそっとつねった。



(…………痛い。ってことは…ッ!!)


レイは目を見開いた。スネイプが驚いた顔をしている。


「どうした?そんなに驚いて……」


「だ、だって今までのって夢…じゃなくて…?」


スネイプはレイのその言葉に苦笑しながら、言った。


「夢ではないぞ、これは現実だ……」


レイは自分の身体を見廻した。何故か、ローブを羽織っていたから。


「それは我輩のローブだ。見てしまうと……意識のないお前を襲ってしまいそうだったからな」


少し恥ずかしそうな顔をしながらそんなことを言うスネイプをまじまじと見つめたレイは、一瞬の後、顔を真っ赤にした。



(だだだだってさっきまでのって夢じゃなくって現実…ってことなの…?)


そおっと、ローブの中の自分の身体を見つめた。

するとそこには確かに、スネイプに愛された証がくっきりとあったのだった。



あらゆる場所に。


「少し…やりすぎた。すまぬ………」


「い、いえ…ッ」





部屋に満ちる沈黙………。



(私、途中から意識を失っちゃったみたいだけど…さ、最後までされちゃったのかな…?)


真っ赤になった顔が一瞬で真っ青になったレイの顔色を見て、スネイプは溜息をついた。



(まさかこの娘……我輩が最後までしたと思っているのではあるまいな…?)


スネイプはコホン、と咳払いをしながら言った。


「あー……念のため言っておくが、我輩は最後まではしておらんぞ」


「そ、そうなんですか…?」


あからさまにホッとした表情をするレイに若干傷つきながら、スネイプは言った。


「当たり前だ!いくらなんでも、意識のない女性を無理やり抱こうなどとは思わんぞ」


「そ、そうですよね……」



モジモジしながら答えるレイを見つめたスネイプは、また咳払いをした。


「あー…コホン、君の気持ちは良く解った。君の我輩に対する、“好き”の証明は……きちんと評価して差し上げよう。さよう…あれはAプラス、でしたな…」


「スネイプ先生……」


「我輩の証明はいかがでしたかな?Ms,カンザキの、評価は……?」



スネイプの瞳が妖しくきらめいた。

レイはどぎまぎしながら言った。ありったけの想いを込めて。



「勿論、Aプラスです……」


スネイプは笑った。ニヤリと、妖しく。


「そうでしょうな…。我輩も、本気を出した故…」


「ほ、本気って……」


「先程言ったであろう?我輩の立場を無くさせるつもりか、と。
ああ、我輩もレイ……君が好きだ。あんなコトをしてしまうほど……君が好きだ……」


「先生……」


「我輩は今、君の“先生”ではない。セブルス、だレイ………」


「せ、せぶるす……」



スネイプはフ、と笑うとレイを抱きしめた。そうして甘く囁く。



「さて、我が愛しのレイ」


「はい、なんですか?セブルス」


「お互いの想いは一つになったのだ。そして今日はクリスマス……これから、我輩と一緒にダンスでも踊ろうではないか……勿論―――」


そこまで言うとスネイプはレイの耳元に唇を寄せ、甘く囁いた。


「ベッドでな……」








*****



この後、いつまでも帰ってこないレイを心配した友人達がホグワーツ中を探し回ったが、翌朝になるまで見つからなかったそうな。



end


(H23,12,25)

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