監禁されてからどのくらいの日数が経過したのかはわからなかった。私が今監禁されている部屋は彼に連れられてきた部屋の中でも、特に防音設備やセキュリティーがしっかりしているみたいで、窓なんて一つもないし、時計もないし…当然ながらカレンダーもない。
場所も時間も手掛かりになりそうなものが一つもなかった。
そんな場所に連れられて、私が毎日されていること……それはあの人からの濃厚すぎるアプローチだったりする。
促されて手を差し出せばキスを落とされる。一緒に食事をして…お風呂にだって入る。
夜はもちろんベッドで……ううん、夜だけじゃない。日中だって何度も何度も…私はあの人に愛される。蕩けそうな甘い囁きに、身体だけじゃなく心まで侵されてしまった。
「ヨウコ、ヨウコ……愛している……どうしたらいい?どうしたら……君は私だけを愛してくれるようになるんだ…?」
もうそうなっちゃってます。
そう言えれば良いのだけれど。なかなか、簡単にはいかない。
だって…そう言ってしまったら、その先が怖くて。
いつか飽きられるかもしれないわ。
ううん、好きって言うのが怖いのかも。
普通じゃない私達の出逢いを考えると……すべてがおかしいような気がしてくる。
あの人もそうだけど、私も。
私の心は……攫われて、閉じ込められて、そして愛されて……おかしくなってしまったのね。
だって縛られたって嫌じゃない。本当は嫌じゃないの。あなたになら…。
『どうしよう…ホントに……』
ポツリとつぶやいた言葉に、思わず苦笑してしまった私だった。
だって、どうにもならないでしょ?
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