神様は不公平だ
昔から女みたいだとからかわれた。
大好きなサッカーも、学校ではできなかった。
いつも仲間外れの一人ぼっちだった。
俺はこの顔が大嫌いだ。
雷門に入学した。
部活見学中に、ある先輩と目があった。
女顔に近かったけど短髪でキリッとしている、世に言うイケメンだった。
その先輩の名を南沢篤志といった。
中学校でも、やっぱりからかわれた。
ますますこの顔が嫌いになった。
部室でこっそり泣いてた時、南沢さんは言った。
「笑ってるほうが可愛いぜ?」
俺は顔を上げた。
目の前には南沢さんが居て、それはそれは凛々しく見えた。
その瞬間、俺は恋をした。
昔から女みたいだとからかわれた。
でも今は何を言われても気にしなくなった。
むしろ女になりたくなった。
女になれば、先輩と普通に恋愛ができるからだ。
神様は不公平だ。
戻る