深海少年
『悲しみの海に沈んだ私目を開けるのも億劫
このままどこまでも落ちて行き誰にも見つけられないのかな』
隣の女子が歌っていた、歌手名も曲名も分からないこの歌。
元々あまり歌には詳しい方ではないからてんで分からないが、何と無く今の自分に似ているような気がした。
自分は悲しみ海の遥か底で。
あの人がもう一度帰ってくるのを待っているのだ。
でもあの人も誰もこないから。
俺の存在は消えて行くのだ。
悲しい。
悔しい。
辛いし、イライラする。
帰ってはこないとわかっていても、少しだけ期待してしまう自分に何故かしら腹がたった。
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