誰よりも君のそばで


目が覚めた。
穏やかな春の日だった。

初めて会った。
白くて赤い彼に惹かれた。

触れられなかった。
誰にも見られずにこっそり泣いた。

彼は大人になった。
ずっとそばで見ていた。

結婚式を挙げた。
誰よりも近くで見ていた。

子供が産まれた。
白くて赤い子供だった。

彼は死んだ。
死んで初めて触れることができた。

彼は言った。
ずいぶんと待たせたな。

ボクはわかった。


「ボクは、死んでいたんだね。」






戻る




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -