小さな太陽


彼は光だ。
その光で皆を照らす太陽だ。
ひたすら強くなりたいという気持ちと、サッカーを愛する純粋な思いは、心が歪んでしまったボクには眩しすぎた。
彼が光ならボクは影。彼が太陽ならボクは月。
影だから、ボクは他人の影が見える。それがたとえ太陽のように光っている人でも、人間ならだれにでもあるのだ。

太陽だからこそ、影を見るのが辛かった。

「白竜は泣かないの」
「俺は太陽だから。泣かない」

プライドの高い白竜。
いつも輝いている白竜。
人前で泣くことを拒む小さな太陽。
影を出せない光。
いつか壊れてしまいそうに儚くて。
いつか崩れてしまいそうに脆くて。

ボクが太陽と呼んだその人物は、やっぱり人間で。
自分が苦しくても辛くても光をくれる白竜の胸元で、顔を埋めながらこっそり泣いた。






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