Novel

 いつか君の隣で

「つーるぎ♪おはよーやんね!」
「菜花…?(同じクラスだったのか)」

まだまだ旅は終わっていないが、一通り平穏となった学校の登校許可を出してもらい、こうして久々の学校にきた。
もちろん、他の部員も同様に。
サッカーもできるようになったから、大体の学校生活はいつも通りである。
「どしたー?」
そう、コイツを除いて。


確かに10番を奪われていたことは驚いたが、それでも強いコイツに俺はひかれた。
そのサッカーセンスだけでなく、顔も性格も立ち振る舞いも全てにひかれた。
俺は少しうるさいコイツに恋をしたのだ。


「…で、なんで俺」
「影山は疎そうだし松風も西園も論外だ」
「まぁいいけどさ」

相談相手は隣のクラスの狩屋。
特別仲が良いという訳ではないが、他の1年よりはという消去法で決めた。

「あー黄名子はそういうの駄目だからさ、やっぱバシューンっていった方が良いよ」
「は…バシューン?」
「普通に好きですとか言えばーなんていうかさ、本当なんで俺」
普通に好きです…か。


朝練。
菜花が1番早いという事を聞いて、いつもより大分早く出てきた。
やはり俺が1番で鍵を開ける。
今日、告白することを決めた。

「おー早いねーっおはよーやんね」
「はよ」

言ったそばからデカイ声。
一気に背筋が伸びる。
普通に…普通に…

「なっ菜花!好きだ!」
「へ?」

軽く裏返った。
この場に人がいなくて心底よかったと思う。

「あーうちも好きやんね!剣城も皆もサッカーも!!」

…また狩屋の所へ行こう





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