Novel

 玉子色スケッチブック

「最近輝と仲いいよねー」

にやにやと効果音が聞こえそうな笑顔で天馬くんが言った。

「まぁそうだけど」

家にも遊びに行ったし…友達だし。ね。

「輝のこと好きだったりする?」
「はっ?!」
「俺にはそー見えるんだけどー実際どーなの?」

鏡がないからわからないけどきっと俺の顔は真っ赤だろう。
天馬くんからそういった単語を聞くとは思わなかったし、不意打ちすぎた。

「泊まりにいったらぁ?」
「ばっ、ばっかじゃねーのっ!!冷やかすなっ!!」
「大丈夫輝優しいから良いよって言うよー」
「あのなっ、」
「…じゃーあー俺が泊まっちゃおうかなー」
半ば脅される形で俺は隣のクラスへ走った。
できれば断って欲しい、あわよくば天馬くんを怒って欲しい。


「え、いいよ」
「・・・・・・・・・・・・へ?」

今なんと?

「うち今日から両親出かけてて、寂しかったから…ありがとね!!」
「え、あぁ、うん、よろしく」


「あーいいコトしたら疲れちゃったー剣城に癒してもらおー!!」




「どうぞ、狭いところですが」
「お、じゃまします・・・」

2日分の服やら洗面用具やらゲームやらが入ったぱんぱんの鞄を肩からおろし、ほっと一息。

「そんな緊張しなくてもいいのにー」

なんでだよ、泊まるんだぜ?健全な男子中学生が2人でさ。
まぁ輝くんがそーゆーことに疎いのはわかってたけどー・・・わかってたけどー・・・。

「あ!わんこたちはペットホテルに預けたから大丈夫だよ!」
「そんな気をつかわんでも・・・」
「いいのいいの!あ、お昼何がいい?簡単なものしか作れないけど」
「え、輝くんが作るの?」

輝くんはきょとんとした後
「いつもお昼は自分でつくるよーたまに夜ご飯も」
「すげー!かっこいい!じゃあオムライス食べたい・・・です」
「んーお任せ下さい!!」


適当に座ってて、と言われソファーの端っこに座った俺はもう心の中がどっきどっきしていた。
天馬くんのせいだからな!と今度あった時に文句を言うことを誓ってみる・・・けどきっと無駄。
輝くんって絵も上手で料理もできて、運動は・・・まぁちょっとドジなところもあるけどそれを補って余るくらいの運動神経もってるし、なんだかなぁ。
俺はぶっちゃけアクロバティックなことしかできないし。

「お待たせー輝特製オムライスですっ」
「いただきまっす!」

眩しいくらいのキンキラたまごはふわっふわ。
赤いチキンライスもいい感じにマッチして。
たまごが可哀想なことになる俺のオムライスとは比べもんにならないぐらいで・・・。

「俺これスケッチブックに書くわ(食べちゃったけど)」
「えっ、いきなりどうしたの!?」
「大丈夫あたりとったら写メるから」
「そーゆー意味じゃなくてっ」
「あー輝くんのスケッチブック玉子色ー」

狙った?ってにやにやしたら、もうマサキくんなんて知ぃらない!!って言われた。
玉子撮るふりして輝くん撮ったのは・・・また別の機会に話してやるよ。






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