Novel

 間接キス事件

「えーっ狩屋くん、甘いもの好きなの!?」
「悪いか」

昼休み、俺は輝くんと屋上で昼飯を食うのが日課だ。
そこでお互い自分の事を話すのがお決まりとなっている。
今日のテーマは好きな食べ物。


「好きなもんはーケーキとかクッキーとかチョコとか」
「ほぇーお菓子ばっかり」
「うっせ」

じゃあお前はどうなんだって聞いたら、シュ―クリームって真顔で返ってきた。
何が何でもシュークリームらしい。てかそれもお菓子じゃん。

「じゃあさ、放課後新しくできたケーキ屋さん行こうよ!」
「は?やだ、なんか女々しい」
「えーいこーよ―」

それから何故かシュークリームについて延々と語り始めて、終わったころにはそのケーキ屋に行くことになっていた。

「じゃあ放課後ね!ばいばい!!」

俺は輝くんに甘い。



ここだよ!と案内されたのは、白を基調とした大人っぽい店で、間違っても男子中学生が制服で来ちゃいけないところだと思った。
それでもずんずん進んでく輝くんを、俺は本気で尊敬する。

「わぁーすごぉーい!!」
「ひっろ…」
「あ、すみません、このお店にあるシュークリーム3つずつ下さい!」

興奮しながら輝くんの口から出た言葉はとんでもない事だった。
この店にあるシュークリームは4種類だから…えーと…12個!
もはや帰○ま10レベル。

「狩屋くん!狩屋くんは何にする?」
「えー俺は…じゃあこの苺たっぷりショートケーキ」

輝くんはどうやってシュークリーム12個も食べるんだろ。
店員の人も会計しながら顔が引きつってる。

「はい!そこで食べよ!」
両手いっぱい抱えて幸せそうな輝くん。両手に花…いや、シュークリーム。

「そんなに食えんの?」
「うん!いつもは30個くらい食べるんだけどね、今日は控えめにしたの」

12個で控えめかい!
そういえば昼飯はいつも弁当箱3つだった気がする。
このほっせぇ体のどこに入っていくのか謎。

「うーん美味しい!狩屋くんも食べなよ!」

もふっ

口いっぱいにカスタードが広がる。甘い。

「ひ、ひはふふん…(輝くん)」

「ご、ごめん、これ、ぼっ僕の食べかけ…」

食べかけ?食べかけってことは、間接キス?
輝くんもそれに気が付いたみたいで、顔を真っ赤にして硬直している。

「ごめんね、ほんと男となんてやだよね…」
そんな風にしょげられて、あわててシュークリームを飲み込んだ。

「ぜんっぜん平気だから!そんなしょげんなって、な?」
「でも…」
「だぁぁぁぁっあれは事故!ほら、俺の食いかけ食って、おあいこ!」

ぱくっ

「〜っうん!!」

本当は間接キス以上な事とかしたいけど、輝くんが間接キスぐらいでこんなんだし、体がもたなさそうだからやめておく。

…というか早く昼飯仲間からランクアップしたい。


「シュークリーム、美味しい!」



 
 豊子様に捧げます
 マサ輝とのリクエストだったんですが、付き合ってなくてもマサ輝なんでしょうか←
 むしろこれはマサ→輝…いや、マサ→←輝…?
 とにかくリクエストありがとうございました!
 豊子様のみお持ち帰りOKです







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