Novel
照れ隠しに魔法の言葉
「佐久間、今日一緒に帰れるか?」
そう言ったのは、幼馴染の源田幸次郎。
最近はお互いに忙しくてまともな会話すらなかった。
ちなみにすごくしつこいから、断れない、……断る気はないけど。
「相変わらず髪の毛サラサラしてるよな」
「ったく、リンスくらいしろよ」
「だって俺佐久間みたいに可愛くないからリンスしてもなー」
可愛い
小さい頃から何回も言われてきて、トラウマでコンプレックスで、ずっとこの単語が嫌いだったけど、こいつに言われるとちょっとドキッとする。
「可愛いとか言うなって」
「はいはい」ニコッ
照れ隠しにマフラーに顔を隠すと、寒いのか?なんて聞くお前はどこまで優しいのか。
「あーもうすぐ新年だな」
「うん」
「メールしなきゃな」
「そうだな」
「佐久間は1番に誰に送る?」
うん、とかそう、とかで返せない質問になんて答えるか迷ってると
「俺は佐久間が1番!」
って言うから一気に顔が熱くなった。
「っばーか!!!」
「佐久間がばかって言うときは、照れ隠しなんだってわかってるよ」
っくそぉ…
「っ…ばか…ばかばかばぁーかっ!!!!!!」
「あーもー佐久間可愛い」
「可愛くない」
なんて事言い出すんだこいつは。
「じゃあさ、キスしよ」
「…1回だけな」
断らないって事は、どこかでこいつに好意を持ってるんだなと思う。
「ばーか」
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海豹様からのリクエストでした。
浜速か源佐久でほのぼのとの事だったので、源佐久にさせていただきました。
毎度毎度短いですね…うーすみません…
返品、苦情など年中受け付けております(笑)
海豹様のみ、お持ち帰り可です♪
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