Novel
ファーストキスはなんの味?
『み、み、みなみ、南沢さん!!お…俺と、ちゅ、付き合って下さい!!!!』
ただの、何でもない後輩から告白されたのは、夏休みの少し前…ただただ暑い日のことだった。
「南沢さん!隣いいですか!」
いいですかって聞いておきながら、返事を聞かずにどかっと座る。
倉間はいつも購買パンだ。
今日は、木曜日の目玉…先着20人限定の大盛り焼きそばパンを美味しそうにほおばってる。
毎週チャレンジしてたっつーから、結構な倍率なんだろうな。
ちなみに俺は普通の弁当。てか俺の手作り。卵焼き、今日はちょっと甘すぎた。
「ここ、3年の教室だけど。」
「南沢さんに会うためなら、地獄の底にだって追いかけます!」
「悪いけど俺は地獄には落ちない。」
「落ちますよーあんたならwww」
ケラケラと笑う、目の前の何でもなくない…今はちょっと特別な後輩。
教室の隅だしバレないよな、って軽く頬にキスしたら、案の定顔真っ赤にして頭から後ろにずっこけた。
「いってー…」
「ずいぶんウブだなー典ちゃん?」
「っ…!!!!俺だって!」
初めてなのかずいぶんへったくそなキス。手入れしてないから、ガッサガサの唇。
「俺は、南沢さんのこと大大大大大好きですっ!!!」
「うん、知ってる。俺も好き、かな。」
「かな、ってなんですか!」
「うーそ。あー焼きそばパン一口くれよ、俺特製の卵焼きやるから。」
「南沢さんの卵焼き好きなんすよー甘くてふわふわで。」
アンタとのキスの味みたいで。
『(あーあ俺のファーストキスは倉間かー)』
『(げ!?南沢さんもですかぁ!!??)』
『(へー倉間のファーストキス、もらっちゃった)』
『(俺も、です)』
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倉南で、倉間くんが南沢さんの事すごく好きな感じ、というまみ様からのキリ番リクエストでした!
短くて本当に申し訳ないです…
はじめてのリクエストにドキドキしておりました(´▽`)
やっぱり僕は極端なギャグ(ただしオチ無し)か暗すぎるシリアス(もどき)しか書けない。うん。
こんなのでよろしければ、煮るなり焼くなりしてください!
返品は年中受け付けております(笑)
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