Novel

 携帯

To/松風
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Sub/無題
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明日空いてる?



To/つるぎ
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Sub/Re:
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おう



To/松風
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Sub/Re2:
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一緒に遊びに行かない?



To/つるぎ
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Sub/Re3:
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別にいいけど


To/松風
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Sub/Re4:
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じゃあ明日雷門中に9:00
でお願いします!!



はぁ、とため息をついて携帯を閉じた。
自分のこの赤い携帯は、5年生ぐらいの時に買ってもらったから、もうかれこれ2年の付き合いになる。
メールの相手は松風天馬。
まだ新品らしく、本人が軽い機械音痴のためか打つスピードが遅い。非常に遅い。
メールの仕方がわからないとかで泣きついてきた事もある。こっちはお前と違って忙しいのに。
…まぁ教える俺も俺なんだけど。
兄さんに明日の約束を断るため、また携帯を開いた。


「ごめん剣城!待った?」
「別に。それよりどこ行くんだよ。」
えへへっと笑う松風の手には、「じゃーん!映画のチケットぉ!!」見たところラブストーリー…っぽいチケット。
「は?」
「秋姉からもらったんだ!一緒に行こー?」
にこにこしてる松風に断れるはずもなく…。
なんで言わなかったんだって聞くと、めんどくさかったんだもんというもっともな答え、ん?なんかおかしい。
しかしそのまま引きずられるように映画館へ直行。
たくさんのカップルに囲まれながら、松風は開始5分で夢の中。
誘ったのおまえだろ。


「だーかーらほんとごめんって!!今度何かおごるからぁ!!!」
「怒ってない。」
「嘘、怒ってる。」
「…怒ってないからちょっと黙れ。」
そう言うと、しゅんと小さくうなだれる。
さっきから寒い、寒すぎる。
マフラーに顔をうずめながらふと横を見ると、いない。
「おい、まつか…」
「剣城、雪。雪、降ってきた…。」
寒さの原因は雪か、雪のせいか、と1人で納得していると…右手に妙な違和感。
「えへへ、剣城の手、あったかい。」
「んなっ…てめえ…!」
「寒いんだもーん、いいでしょ?」
満面の笑みでそんな事言われたら…って、俺は松風に甘いのか。うん。
「積もったらさ、雪合戦しよっ!葵とー信助とー狩屋とー輝と!あ、キャプテンも誘おっかなぁ。」
「キャプテンはそんな事しねーよ。」
「するよぉ!!霧野先輩もついてくるし。」
「もう好きにしろ…。」
わーいとはしゃいでいる松風を横目に、携帯を開く。


To/兄さん
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Sub/無題
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今横にいる奴、かわいく
ておもしろい。






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