Novel

 愛しい人は低血圧

はじめまして、かな。
月山国光中サッカー部のキャプテンを務めている兵頭司だ。
我が月山国光中は全寮制の男子校であり、朝が尋常じゃないほど早い。
皆はもう慣れたようだ(と思いたい)が、最近この学校に転入してきた南沢篤志は、慣れていないのか
単に朝が弱いだけなのか、非常に寝起きが悪い。でもかわいい。
南沢1人が寝坊するだけなら彼の朝ご飯が少し減る(食べられる)だけで済むが、
何しろ今日は金曜日。集会の日なのだ。
部屋割りは部活ごとになっており、その中の1人でも集会に遅刻すれば、
その部は1週間活動禁止というきまりになっている。
「南沢。今日は集会だ。」
長いまつげ。白いはだ。小さい体。
あぁなんてかわいいんだ!!! ←ここ笑うところ
「んー……あと……ご…5分…」
ムニャムニャ言う所もまたかわいい。
「残念だが、集会まで残り5分だ。早くしてもらわないとこちらも困る。」
「っげ!もうそんな時間かよ!」
途端に飛び起きる南沢。もはやこれが日常茶飯事なのである。
…もっともいいかげん自分1人で起きれるようになってほしいが。
しかしこう毎日寝顔を眺められるのもこの仕事の特権の1つ。
南沢のかわいさに免じて毎日の苦労は水に流すとしよう。
「ごめん兵頭!先行ってろ、後で絶対追いつく!」
「いや、待ってる。」
「っはぁ?なんで」
「少しでも長く、かわいい南沢の隣に居たいからな。」
「っばーか!」
「そうだな。バカはバカでも南沢バカだな。」
はは、顔が真っ赤だ。そういう素直なところもかわいいんだ。
「べ…別に、そんなこと言っても何も出ねーぞ…っ」

…すまない皆。
集会までに間に合うことは難しそうだ。





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