Novel

 それはもう二度と無い

ねえ父さん、お話聞いて。あのね。
この間松風っていう女の子が家にきたんだ。うん、天馬によく似た赤茶の髪でね。その子なんて言ったと思う?
「やっと会えた」
僕びっくりしちゃったよ。だってもしその子が天馬の子孫だったら、天馬の子供の子供のうんと先の子供でしょ?
その子ね。天馬が僕に伝えたかったことをね、代々受け継いできたんだって。
僕涙が出てきちゃった。だって僕にはついこの間のような出来事なのに、天馬たちには…その女の子にはうんと昔の出来事なんだからさ。
寂しいね。
手紙、貰ったの。色褪せない様に大事に保存してきたんだって。天馬の手紙だよ。天馬の字で書かれた天馬の手紙。
悲しいね。
僕はいつだって会いにいけるのに、時間の流れがそれを許さないんだから。
あ、別に父さんといるのが嫌ってわけじゃないから!こっちでもSARUとかアルファとか友達できたし!
でもさ………あ、もうこんな時間。つきあわせてごめんね。寝ようか。おやすみ、父さん。

「フェイ、この手紙が時の流れに乗って君に届くことを祈ります。お元気ですか。俺はいっぱい元気!仲間もみんなあれから頑張ってるよ。俺からフェイの一方通行の流れがちょっと悔しいけど、未来にもう一度いけるなら真っ先にフェイに会いたいな。またサッカーしようね。天馬より」


「P.S. どこにいてもどんなときも俺たちが友達じゃないときなんてこれっぽっちもない。今までも、もちろんこれからもね!」





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