君ニ捧グ-1 (ページ1/9)
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木の葉の里近くの川縁で、水龍弾の術を練習していた。

「水遁、水龍弾の術!」

意識を集中して、出来るだけ早く印を結び、私は声をあげて術を発動させた。
ズオォォッーーと龍の形をした水流が川から飛び出し、林に襲いかかると思いきや、その期待もむなしく、すぐに川の中へと逆戻りする。
私は組んだ指を解く間もなく、水龍を飲み込み、平らかになった水面と微妙な対面を果たした。

「うーん、イケてない……」

確かに龍の形にさえならなかった以前に比べれば、ずいぶん上達したけど。
やっぱりカカシ先生のように立派にはキマらないなぁ……。

私はガックリと肩を落とし、はぁーとため息を吐いた。
その背中に、

「また腕あげたんじゃねぇか?」

感心するような声がかかって、私は急いで振り返った。

「キバ!」
「よぉ」
「ワンッ」

すぐそばの木に寄りかかって、キバが赤丸と一緒にこちらを見ていた。
ドクンッと、無意味な胸の高鳴りが一つ、私の体を通過する。



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