意外と賢さ-3 (ページ1/11)
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翌日、火の国内の草原に名無子率いる木の葉腐亞違亞利武頭の面々が揃っていた。
草原は木の葉と砂隠れの里を結ぶ最短ルート上に位置し、おそらく燦土跋化図もここを通るはずだ。
自然、奴らとはここで対峙することになるだろう。
得物を手にしたガラの悪い連中を後ろに従え、名無子は集団の先頭に立っていた。
右手に木刀を握り、白い特攻服の裾が風にはためく。
砂の奴らが現れるであろう方角を凝視し、名無子は後ろの連中に喝を入れた。

「てめぇーら、気合いいれてけよ!! 燦土跋化図に前回の借りを返してやろーぜ!!」
「……いや、確かにそうなんスけど……総長、あの……」

すぐ後ろの仲間が名無子の気合いに水を差す。
名無子がめんどくさそうに肩越しに振り返った。

「あぁ? なんだよ?」
「……ですから、その……なんスかね、その格好?」

一睨みする名無子の背中を見つめ、仲間が呟く。
そこにはおんぶ紐で持って背負われた赤ん坊がすやすやと眠っていた――。

「仕方ねぇーだろ!! 面倒見てくれるヤツがいなかったんだよ!!」
「いや、今日くらい旦那さんに……」

口答えするソイツに名無子がクワッと牙を剥いた。



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