好き? のち大好き (ページ1/13)
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「なぁー。その……14日は空いてっか?」

視線をそらし、顔を若干赤らめたシカマルに訊ねられ、私も思わず頬を火照らせ俯いた。

「うん……空いてるよ」
「じゃあさ……どっか遊び行かね?」
「いいけど……」
「じゃあ……そうゆーことで、な」

シカマルはそれだけ言うと私の前から足早に立ち去った。
バレンタインの日から私たちの調子はこんな感じ。
どうにも互いに意識しすぎてうまく言葉もつなげない。
私は道の端でシカマルの後ろ姿が見えなくなった途端、はぁ〜っと胸を押さえた。

緊張した……でもホワイトデー、シカマルから誘われちゃった。

そのことが嬉しくて顔がニヤケてくる。
私はゆるむ頬をあわてて両手で包んだ。

な、なに、喜んでんだか……。

でも、正直ドキドキときめく胸の高揚は押さえようがなくて、バレンタインのあの日からシカマルへの想いが確実に発展していることは私自身が一番よくわかってた。

ホワイトデーかぁ。
どんなデートになるんだろ?
……って、え、デート?

無意識に使ったその単語に改めて恥ずかしくなり、私はひとり近くの木の陰に身を隠す。
別に誰が見ているわけでもないが、すっかり挙動不審、私は火照る気持ちを落ち着かせようと木の根元に座り込み、空を見上げた。
それでも視界いっぱい空と雲が広がれば、頭に浮かぶのはそれらが好きだというシカマルの顔ばかり。
私はすっかり観念して、浮き立つ胸をそのままにどんな服を着ていこうか、当日のことに思いをはせ始めた。





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