a meteor-1 (ページ1/8)
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俺の心の八割は愚かな凡人に対する憎しみで占められている。
特に日向宗家の者どもは分家の俺の天才さに到底及ばぬ愚かさでありながら、ただ宗家というだけでこの俺の父親を奪い取っていった。
そして宗家の呪印は脈々と俺の体にも受け継がれ、忌まわしき運命でこの身を縛る。
愚かな宗家の犠牲――そのくだらぬ定めに向けられた俺の憎しみは誰にもはかり知れるものではない。
憎悪の闇はひたすら深く俺の心を浸食している。





先生から名無子に物理の宿題を教えてやるよう命じられたのは先日のことだ。
アカデミー学年トップの俺に並ぶ好成績者名無子はどういうわけか物理だけがやたらとできず、物理の答案が返されるたび、赤点ギリギリ壊滅チックな結果らしい。
その証拠にあの日戻ってきた問題形式の宿題は散々で、放課後居残りまでして強制的に間違えた箇所の解きなおしをさせられていた。
俺はそれに借り出されたというわけだ。
先生からの命令で逆らえなかったこともあるが、俺としてはちょっとした興味もあってその件を素直に承諾した。
たいして仲良くもない名無子が一体どんな奴なのか知ってみたくなったのだ。
物理は苦手としても他の科目はすべてトップレベル、実技においても俺に勝るとも劣らない優秀さだ、一見優しそうな雰囲気でも本性はお高い奴なのかもしれない。
それならそれで叩いてやるのも面白い。
天才以外の愚かな凡人はお高くなる資格などありはしないのだから。





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