EMERGENCE-1 (ページ1/12)
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「はい、まいど」
「ありがと、おじちゃん」

団子の包みを受け取って、上機嫌で返ろうとした私の後ろ姿に

「よぉ、名無子、サボリか?」

皮肉気な言い方の聞き慣れた声が響いて私は振り向いた。
予想通り、めんどくさそーに視線を寄こすシカマルの姿が目に入る。

「サボリじゃありません〜。今、休憩時間なんですぅ〜。医療忍者の先輩達にお団子買ってくるよう頼まれたんですぅ〜」
「なんだよ、パシリか」
「ウッサイ! パシリ言うな! これでも昇格したんだ! 今までゴミ捨て当番だったのが団子買いなんだから! 破竹の勢いで出世だよ、アンタ!!」
「……」

シカマルから憐れみの視線を感じて私は叫んだ。

「やめて! その憐憫の情が一番キツイの! 痛いの!! ったく、そーゆーシカマルこそサボリなんじゃないの?!」
「サボリじゃねぇよ。お前と一緒にすんな。俺はもう任務の報告も終えて仕事から解放されたとこだよ」

フフンとシカマルが言い放った。

あー、いつもこうだ。
シカマルと私。
お互い会えば憎まれ口をたたき合う。
本当は私、シカマルが好きなんだけど。
でも、どうしたって口から出るのは憎たらしいセリフばかりで。
今だって。



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