reach for you-2 (ページ1/16)
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ゴオォォォッと、男の言葉通り、水気の多い生木も激しい炎にその水分を空気中に蒸発させながら勢いよく燃え上がる。
その炎に圧倒されながら私は、とにかくシカマルを助けなきゃ、と倒木に手をかけた。
力一杯押すのに、それはビクともしなくて。

どうしよう――。

チャクラを溜めた拳や蹴りを決めても、木は動くわけでも砕けるわけでもない。
シカマルも懸命に足で木を蹴ったり、地面を押して体を引き抜こうともがいている。
それでも全然動かない。

「ちくしょー、抜けねぇーー!!」

苛立たしげなシカマルの声が響く。
その横で、私は途方に暮れる自分の意識を繋ぎ止めるように懸命に考えて、ハッとあることを思いついた。

先輩!!
そうだ、先輩を呼んでくれば……。

そう思って顔を輝かせた瞬間、どこにいるのか、あの男の声が降ってきた。

「それと、あんまり小賢しいマネしないでよ? 仲間呼びに行こうとかさ」
「――ッ」
「俺は君たちが焼け死ぬの、近くで見てんだから。助かろうとしてもがき苦しんで焼け死ぬ君たちのその姿を見たくて、こんなことしてんだから。じゃなきゃ、さっきの炎で直接殺したってよかったのさ。でも、それじゃ、つまんないだろ?」

ククッと笑いを漏らすと、男は言葉を続けた。



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