君ニ捧グ-2 (ページ5/15)
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海……。

その響きにはやっぱり惹かれる。
でも、二年も三年もここを、キバのそばを離れたくはない。
あきらめるって決めたはずなのに、どうしても私の胸にはキバへの思いがくすぶり続けている。
火影邸を後にした私は、そんな気持ちを抱えて、夕飯の買い物客でにぎわう商店街へ足を向けた。





お肉を受け取り、お肉屋さんから出てきた私の前に、

「お」

と言って出くわしたのはキバだった。

「あぁ、キバ。一人? 赤丸は?」

そばに赤丸の姿が見えなくてキバにそうたずねると、

「アイツ、健康診断。今、動物病院に預けてきたとこ。今夜は病院に検査入院するからいねぇーんだよ」
「そうなんだ」

確かに赤丸もキバと一緒にハードな任務をこなしてるから、定期的に健康をチェックしなきゃ危険だ。
なるほどー、と納得する私を見て、今度はキバがたずねた。



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