君ニ捧グ-2 (ページ4/15)
「実はな、火の国の臨海地に演習施設をつくったんだよ。木の葉の里には川も滝もあるにはあるが、たいして大きくないだろ? お前のような水遁を扱う忍は練習場所に不便する。それで、その臨海演習場をつくったというわけだ」
私はへぇー、と感心の声をあげた。
確かに海のように大量な水のある場所で水遁の修行が出来るのは、すごく魅力的な話だ。
「スゴイ」
「だろ? お前にとっても悪い話じゃないはずだ。どうだ、行ってみないか? 二、三年は里を離れることになるだろうが、任務の方は免除するぞ? こちらとしても、修行に出すからにはしっかり成果をあげてほしいからな」
二、三年……。
そんなにここを離れなきゃいけないのか……。
私の胸にフッとキバの顔が浮かんだ。
「……」
私の決断しかねている様子を見て、火影様が口を開いた。
「まぁ、急な話だ。今すぐに返事をしろとは言わないよ。しばらく考えてみるといい」
「はい」
私は静かに答えた。
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