君ニ捧グ-1 (ページ8/9)
「何を話してたの?」
マリアと。
その問いに、キバはぞんざいに言い放った。
「たいしたことじゃねぇよ。任務のこととか。世間話だよ」
たいしたことじゃない。
そんな風に言っても、きっと二人の間には、私には決して手の届かない思いのやりとりがあるんだろう。
キバは今もあなたが好きなんだ。
マリア。
あなたと過ごした幸せな時間が、その輝きが、キバは何よりも眩しくて今も忘れられずに追いかけてる。
二度と戻らない過去の輝き。
キバの思いを証明するように、彼の左手の薬指で、未だにはずされることのないマリアとお揃いのシルバーリングが、月の光を受けて鈍くひかった。
to be continued.
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