reach for you-2 (ページ11/16)
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「名無子ーー!!」

草原で横たわっていた私を遠くから呼ぶ声が聞こえた。
聞き慣れた気怠げな声。
シカマルだ。
私は体を起こして目を向けた。
ズボンのポケットに両手を突っ込んで、ゆっくり歩いてくるシカマルの姿が見える。
私はシカマルの右足に視線を移した。
昨日あのあと先輩と私の二人がかりで、あたりの木と岩を使い、テコの原理を利用して、シカマルの上の大木を持ち上げた。
さすがにその時は引き抜いた足がかなり痛んでいたようで、シカマルは右足をかばいながら歩いていた。
でも、どうやら病院での治療ですっかり良くなったらしい。
今は普通に歩いてくれている。

良かった……。

サワッとそよぐ風に、私の安堵の心が溶けだしていく。
本当によかったと思う。
シカマルの怪我が治って。
そして、二人ともちゃんと助かることができて。
そんなことを思っていると、私のとなりまでやってきたシカマルが、私の右側にストンと腰を下ろし、そのままドサッと寝ころんだ。
私は上からシカマルを覗き込む。

「どっかに遊びに行くんじゃないの?」

んーー? と私に目を向けたシカマルが言葉少なに答える。



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