reach for you-2 (ページ10/16)
「俺が助けに来なかったら死んでるぞ? お前ら、俺の水遁の術に感謝しろよ?」
いきなり頭上に現れた大量の水。
アレは、そうか、先輩の水遁の術だったんだ。
私は先輩の言葉に、どこかで聞こえた川の水音を思い出しながら、周りの景色を見回した。
燃えさかっていた木々はその炎を消し、炭化した姿で私たちを中心に放射状に外側へ倒れ込んでいる。
さすが、先輩……。
火を消すだけじゃなくて、ちゃんと木の倒れる方向も計算して水を落としてきてる。
感心する私の耳に先輩の声が届いた。
「それじゃあ、サッサとその木をどかすとしような」
シカマルの足を捕らえている木を一瞥して、先輩が木の上から地面に降り立った。
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